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“日仏原発連合” まだまだ迷走中

ニュースイッチ 6月30日(木)11時40分配信

三菱重工、仏電力会社と原子力発電事業協業で覚書。支援の枠組み固まらず

 三菱重工業は、フランス電力会社(EDF)と原子力発電事業で協業する覚書に調印した。三菱重工と仏原子力設備大手アレバグループが共同開発している新型加圧水型軽水炉(PWR)事業にEDFが参画する。三菱重工はEDFとの関係強化で新型炉事業を加速するとともに、原子力発電プラント用機器輸出で国際市場を深耕していく。

 パリで開催中の原発の国際展示会で28日(現地時間)に、三菱重工の宮永俊一社長とEDFのジャン=ベルナール・レヴィ会長が覚書に調印した。

 三菱重工とアレバは2007年に、折半出資の合弁会社「アトメア」を設立。最新鋭の110万キロワット級PWR「アトメア1」の開発を進めている。現段階でEDFの参画形態は検討中だが、アトメアへの出資やプラント開発の技術協力などが想定される。

 アトメア1をめぐってはトルコ・黒海沿岸のシノップで4基の建設が計画されているプロジェクトについて、事業化調査(FS)を実施中。総額2兆円規模の案件となり、世界戦略炉に位置づけるアトメア1展開の足がかりとして期待される。

 ここに世界最大の原発ユーザーであるEDFの知見や設計技術力を組み合わせ、プロジェクトを円滑に推進する狙い。一方、ベトナムの新型炉の建設計画では日立製作所や東芝も参画しており、アトメア1の提案に向けてEDFは強力な援軍となりそう。

 また、EDF主導で経営再建を進めている、アレバ子会社で原子炉製造を担うアレバNPに対する三菱重工の出資についても改めて合意した。アレバは世界的な原発市場の縮小などで経営不振に陥り、再建に向けEDFがアレバNPの株式51―75%を取得する計画だ。

 足元ではEDFの出資比率の調整で難航しており、三菱重工の出資比率も基本合意に至っていない。三菱重工とEDFの覚書でアレバNPへの出資交渉が進展するかは不透明だが、日仏の原子力協調は着実に進展。原発を取り巻く環境が世界的に厳しくなる中、原子力ビジネスの基盤固めにつなげる。

最終更新:6月30日(木)11時40分

ニュースイッチ