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開業以来、初の黒字…埼玉高速鉄道、純利益20億円 経営再建へ一歩

埼玉新聞 6月30日(木)23時26分配信

 埼玉高速鉄道(埼玉県さいたま市緑区、荻野洋社長)が発表した2016年3月期決算は、最終損益(純損益)が20億5600万円の黒字(前期は443億1900万円の赤字)となり、01年の開業以来、初の黒字を達成した。経営再建に向けた事業再生ADR(裁判外紛争解決)が15年に成立し、利息の返済負担や原価償却費が大幅に減少。輸送人員も沿線開発に伴い堅調に推移した。同社は「財政支援に頼らない、自立の第一歩を踏み出すことができた」としている。

 経常損益は15億1600万円の黒字(前期は21億6400万円の赤字)、営業損益は22億4300万円の黒字(前期は5億400万円の赤字)となり、いずれも最終損益と同様に初の黒字に転換した。売上高にあたる営業収益は前期比5・6%増の94億3800万円で、5期連続の増加となった。

 1日当たりの輸送人員は5・6%増の10万678人と、初の10万人を突破。浦和美園駅周辺の宅地開発に伴う人口増に加え、国立競技場の建て替えを受けて、埼玉スタジアムで大規模なサッカーの試合が行われたことが輸送人員の伸びにつながった。旅客運輸収入は6・6%増の76億1500万円だった。

 埼玉高速鉄道は赤羽岩淵駅~浦和美園駅間の14・6キロを結ぶ路線で、埼玉県や川口市、さいたま市などが出資する第三セクター。01年3月の開業から輸送人員が伸び悩み、赤字が続いていた。県や市から財政支援を受けながら、経営再建に取り組んできた。

 15年1月には、私的整理手法の一つである事業再生ADRが成立。支払利息は54・4%減の7億3200万円、減価償却費は45・4%減の21億6300万円となった。

 前期は事業再生ADR手続きの実施に伴い、443億円の大規模な赤字を計上したが、“膿を出し切った”ことで念願の黒字転換を実現した。同社は「生まれ変わった会社として、新たな第一歩を踏み出した。今後も黒字経営を継続するため、安全・安定な輸送事業と利用者サービスの向上に社員一丸で努めたい」としている。

最終更新:6月30日(木)23時26分

埼玉新聞