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<殺人で米軍属追起訴>捜査陣、立証に自信 弁護人は「殺意」疑問

沖縄タイムス 7月1日(金)16時5分配信

 元米兵暴行殺人事件で那覇地方検察庁は30日、元米海兵隊員の軍属の被告(32)を殺人と強姦(ごうかん)致死の両容疑で追起訴した。4月28日に女性が行方不明になってから、事件として本格捜査に着手するまで20日余り。被告が黙秘したことで、犯行の痕跡や証拠集めに難渋したが、捜査幹部は「(犯行の立証は)完璧に近い」と自信をみせる。一方、被告の弁護人は逮捕前後の初期供述を「本人が混乱していた」とし「殺意」を軸にした犯行形態の組み立てに疑問を呈している。(社会部・新崎哲史、国吉聡志)

 「民間の防犯カメラ映像が決め手だ」。捜査幹部は立証の「柱」について口をそろえる。分析したカメラは中北部の店舗などに設置された約50機。犯行現場や証拠物を遺棄した「瞬間」の動画は入手できなかったが、複数の映像の時間差などから、写っていない時間帯の被告の行動を推測。初期供述と合わせ、うるま市内で凶器の棒や女性が携帯していたイヤホンなどを見つけることに成功した。
 被告の関与が浮かんだのも、同じ場所を不審に往復する車両をとらえた映像。同幹部は「県警では例のない規模の映像解析が立件につながった」と振り返る。
 裁判員裁判を見越し、県内に登録された同型同色の車両の持ち主を地道に当たって行動を確認し「犯行時間帯に現場にいたのは被告しかいない」と立証。画像を鮮明化し、経過表などを作成して裁判員にも分かりやすい証拠として提示する予定だ。

■被告弁護人「本当の“自白”だったのか」

 被告は5月19日に逮捕される前後に「女性を暴行目的で襲い、刺して、遺棄した」などと供述したが、翌日から黙秘に転じた。被告の弁護人は、沖縄タイムスの取材に対し「(逮捕前後、本人は)パニックで何を話したか分かっていない」と述べた。
 検察側は、被告が女性を棒で襲う際、暴行と殺人の両方の行為があったとしているが、弁護人は「殺意を持って暴行と殺人を同時に行うのは、普通成立しない」と疑問視。「逮捕直前、容疑者は2度自殺未遂している。本当の“自白”だったのか。検察の証拠と被告の意見を聞き、弁護方針を決めたい」と述べた。

最終更新:7月1日(金)18時20分

沖縄タイムス