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『ストリートファイターV』綾野アシスタントプロデューサーインタビュー! 追加コンテンツから入力遅延まで、ディープな話題を直撃

ファミ通.com 7月1日(金)17時1分配信

取材:編集部 豊泉三兄弟(次男)、取材:ライター 甲田 久

●追加コンテンツから入力遅延まで、ディープな話題を直撃
 カプコンから発売中のプレイステーション4、PC用ソフト『ストリートファイターV』。いよいよ、新キャラクターのいぶきとバイソンに加え、『ストリートファイター』シリーズで初めて、映画のような演出で物語が楽しめる“ゼネラルストーリー”が追加される大型アップデートが行われた。今回は、アップデートを記念して、本作の綾野アシスタントプロデューサーにインタビューを敢行。追加要素のほか、コミュニティーで話題となった“入力遅延”や“マッチングの不具合”について直球の質問をぶつけてきた。

――まずは、今回新たに配信されるキャラクターについて聞かせてください。いぶきはどういったコンセプトのキャラクターなのでしょうか?

綾野 忍者の道具を使用した遊び、というものを考えていて、それらを使って以前のタイトルよりもより忍者らしい動きを追求しています。苦無(くない)や、Vトリガーの六尺焙烙玉を使ったギミックの遊びが盛りだくさん! というのがコンセプトです。

――一部の技がなくなったり、変更された必殺技もいくつかありますよね。

綾野 これまで用途の似た技が多かったのでいったん技を整理し、その代わりに忍者らしい遊びを増やして今回のいぶきが完成しました。とくに苦無は特徴的だと思います。ボタンをホールドすることでまとめて投げられたり、Vトリガーの六尺焙烙玉をEXクナイで誘爆させたりできるんですが、そのような忍具を使った闘いかたが、いぶきらしいと思います。また、必要に応じて補充するなど、苦無のストック管理が本作ならではかなと。

――なるほど。では、バイソンはどういったキャラクターなのでしょうか?

綾野 バイソンはダッシュストレートやダッシュアッパーといった従来の突進必殺技技に加え、アッパー攻撃を行う新技のスクリュースマッシュが追加されています。Vスキル(KKB)は前方に回転しながら移動し、追加コマンドを入力することで、ふたつの派生技に以降できます。回転動作中は飛び道具を避けられるので、飛び道具を多用する相手には積極的に使って行ってほしいですね。Vスキルで華麗に飛び道具を避けつつ攻めてくバイソンはすごくかっこいいですよ!

――ではつぎに、待望のゼネラルストーリーについてお聞かせください。シリーズファンとしては、『ストリートファイター』のキャラクターがドラマの中で動いているだけでもすごくうれしかったです。

綾野 『ストリートファイター』シリーズの場合、アニメやスピンオフ作品は多いんですけど、ナンバリングタイトルでCGのキャラクターがあそこまで動いて、物語を作るというのはこれまでなかったことですよね。これは初代『ストリートファイター』から数えて、29年目でやっと実現した本格的なストーリーモードです。従来のシリーズでは対戦のことばかりを考えていましたが、これをきっかけに世界観から入ってくれる新規ユーザーを取り込んでいきたいという思いもあります。

――アニメーションではなくて、バトルで使っているキャラクターやステージがそのまま動いてくれていることに驚きました。そこで実際にバトルが始まりますし。

綾野 最初はリュウでずっと闘っていく、という形を考えていました。ですが、ゼネラルストーリーを壮大なチュートリアルにしたかったという思いもあり、ストーリーにのめり込んでいくうちにいろいろなキャラクターをプレイし、終わってみたらひと通りのキャラクターを触っているような形がおもしろいのではないか? と考えたんです。それで終わったあとに、「あのキャラクターは使いやすかったな」と思い返していただいて、新規ユーザーさんに気に入ったキャラクターを見つけてもらうきっかけになると信じています。

――それでドラマパートの合間にバトルパートが挿入されていたんですね。

綾野 やはりゲームって双方向性(インタラクティブ)が重要な要素じゃないですか。映画のように一方通行で映像を見せるだけではなく、バトルパートを入れたのは見て楽しむものではなくてあくまで“ゲーム”なんだ! という意思の表れです。それと、遊ぶことを重視するというカプコンの社風もあるからかもしれません。ちょっと脱線しますが、『ストリートファイター』はいろいろなコラボも展開させてもらっていますよね。たぶんゲーム性にまで口を出すメーカーはあまりないんじゃないでしょうか?(笑) ちなみに、ゼネラルストーリーを最後までクリアーすること自体はさほど難しくはありません。ゼネラルストーリーを1度クリアーすると2周目から、敵が強いエクストラモードが遊べるようになっています。やり込みが好きな方はぜひそちらで腕試ししてみてください。

――ゼネラルストーリーのボリュームはどれくらいあるのでしょうか?

綾野 ストーリーは全部で5章あります。映像も含めて3~4時間のコンテンツがあります。

――バトルを飛ばすこともできるんですね。

綾野 ゼネラルストーリーではさまざまなキャラクターを使うことになっています。たとえばガイルのような“溜めキャラ”が苦手なのにガイルを使ってプレイしなければならない場面も出てきます。でもそこで、ユーザーさんにストレスを感じてほしくなかったんです。挫折してほしくもないので、どうしても苦手でクリアーできない場合はバトルを飛ばしてつぎのキャラクターを使ってもらいたい、というのが狙いです。また、新規ユーザーさんへの提案でもあります。

――実際にストーリーを制作してみて、いかがでしたか?

綾野 メッチャ新鮮でした。いままでの『ストリートファイター』の開発現場とは空気が違うんですよ。鑑賞会が始まったりして、新しいエフェクトや演出に、「おー!」と感嘆の声が上がったりして、映画を作っているみたいで、「これ『ストリートファイター』だよな?」と(笑)。

――カメラアングルなど、映画的演出を担当するスタッフも?

綾野 それは映画専門のメーカーである、ポリゴン・ピクチュアズさんにお願いしました。これまでも、『ストIV』シリーズのライバルバトルの構図やPVなどでいっしょにお仕事をさせていただいております。

――ということは、バトルを作るスタッフとは別に、ドラマパート専門のスタッフがいる?

綾野 専任スタッフと、バトルパートを兼任しているスタッフと混合で制作しています。技を作るうえでも、キャラクターのバックグラウンドを参考にすることも多いですから兼任スタッフは必要ですよね。あとは、開発チームにはいろんな人が集まっているので、ほかのチームに在籍していたときなど、以前に映像の経験を積んでいるスタッフもいます。

――なるほど。ナンバリングタイトルのストーリーを作るというのは、重大なお仕事だと思います。シナリオはいったい誰が考えたんでしょうか?

綾野 専門のシナリオライターが独占的に作るというわけではなく、みんなで意見やアイデアを出し合いながら作っていきました。僕もそうですが、社内には『ストリートファイター』が好きな人ばかりですからね。それでも一本筋を通さなければいけないところは、ディレクターの監修がビシっと入っています。

――ゼネラルストーリーの追加エピソードの配信予定はありませんか?

綾野 いまのところ予定はありません。個人的にはやりたいですね。たくさんの要望があれば、検討したいと思います。

●入力遅延やマッチングの不具合の現状は?
――プレイステーション4版にのみ、“8フレーム”の入力遅延(※)があるという話が上がっています。これは意図したものなのでしょうか?

※1フレーム=60分の1秒。
※入力遅延=ボタンを入力してから画面に反映されるまでの時間。

綾野 これについては、まだ現段階(2016年6月28日現在)で調査中です。とはいえ、その状態が長く続いているのは事実ですので、現段階の調査結果をお伝えします。まず、プログラム上の問題で、ゲームを描画するうえで、ボタンを入力してから画面に反映されるまでは、ソフトウェア的に数フレームかかるんですね。これは画面に描画するプログラムの関係上、致し方ないところなのです。さて、おっしゃられている8フレームの入力遅延というのは、我々はハードウェアやドライバー等外部要素によるものではないかとにらんでいます。調査結果がわかりましたら、公式に皆さんへ報告したいと考えています。

――遅延について、プレイステーション4版とPC版で差が出ている現状はどのようにとらえていますか?

綾野 ハードウェアが違いますので、仕様の関係上、回避できない部分もあるかと思います。ただ、ソフトウェア上の挙動は同じように動く設計をしています。現在はPCとプレイステーション4の両プラットフォームにおいて、意図しない挙動を起こしていないかを検証中となります。ただ、ゲームの改造を行い強引に設定を変えるようなことは、絶対におやめください。動作保証外の操作となります。

――プレイヤーとしては、どちらに合わせて練習すればいいのか、と迷いがちだと思うのですが?

綾野 それは個人の目的によって変わると思います。たとえば、友だちのあいだでPC版が流行っていて、その中だけで勝てればいいのならPC版を中心に練習するほうがいいかもしれませんし、CAPCOM U.S.A.主催のCAPCOM Pro Tourに焦点を当てるのであれば、公式で採用されているプレイステーション4版をやったほうがいいでしょう。自分が目標としている大会の本番にいちばん近い環境で練習することが、大会で結果を出すことにつながるはずです。プロゲーマーに限らず多くのアスリートたちがそのように感じているようですし、自分もまた同意見です。自分が参加する大会のレギュレーションを調べていただいて、それに合った環境で練習してほしいですね。プラットフォームをふたつ用意する環境がたいへんだというご意見もあるかと思います。だからこそプレイを通して何を成し遂げたいか、という目的をはっきりさせるということが重要になるかと思います。

――なるほど。つぎに通信対戦のマッチングについてお聞かせください。一部のユーザーから、「長時間マッチングされない、LPの離れた相手とマッチングされやすい」など、マッチングに関する不満も上がっているようです。こういったユーザーの声は把握されているのでしょうか?

綾野 もちろん把握はしています。また、すでに原因が判明しているものもあり、対応策を検討中です。いったんすべてのサーバーを長期間止めて作り直す、ということができれば簡単なのですが、それは現実的ではありません。ですから、できるだけユーザーの負担にならないように進めるための方法を検討しています。ご不便をかけてたいへん申し訳ありませんが、なるべく迅速に対応したいと考えていますので、もう少しお時間をいただければと思います。ただ、マッチングや通信によるラグについては、プロバイダなどユーザーごとの環境が関わってくることもありますので、いま一度設定を見直していただくことをオススメいたします。プロバイダのサポートを受けることでスムーズにマッチングできる場合もあるかもしれません。

――こういった問題に対しての公式発表が遅いことに対しての不満も大きいようです。今後はこういった体制の改善はあるのでしょうか?

綾野 正直に申しますと、「修正するという告知を出したにも関わらず、実現できませんでした」となった場合、より一層ユーザーにご迷惑をおかけすることになることを恐れています。できもしないことを言うわけにはいきませんから、問題の原因を把握して、きっちりと修正できることをユーザーさんに約束できる段階になってから……という形で、僕らの中では最速で告知を出しているつもりです。ただ、『ストIV』シリーズのころとは世の中の状況も変わっていますので、考えを改める必要があるのかもしれないとは思っています。企業としての問題でもありますので、断言はできませんが、改善に取り組んでいきたいと考えています。

●ゼニーの廃止はなぜ?
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■ゼニー廃止以前の『ストV』ゲーム内通貨の仕組み
ファイトマネー:ゲームをプレイすることで溜まるポイント。キャラクターやステージ、ストーリーコスチュームなどと交換可能。

ゼニー:リアルマネー(有料)で購入するゲーム内通貨。アレンジコスチュームはゼニーでのみ購入可能。



■ゼニー廃止後の『ストV』ゲーム内通貨の仕組み
ファイトマネー:ゲームをプレイすることで溜まるポイント。キャラクターやステージ、ストーリーコスチュームなどと交換可能。(変更なし)

ゼニー:1ゼニー=200ファイトマネー換算で変換。ゼニーでしか買えないコンテンツは、PS StoreまたはSteamから有料コンテンツとして販売。そのため、ゼニーでのみ購入可能だったアレンジコスチュームは、PS StoreまたはSteamから購入となる。

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――ゼニーの廃止が発表されました。これは何が原因だったのでしょうか?

綾野 技術的な問題が原因です。問題が発覚してから、我々の中でも対応を検討して、ゼニーをファイトマネーに統合する、というのが精一杯の回答になります。

――ゼニーが廃止されたことで、シーズンパスへの影響はないのでしょうか?

綾野 シーズンパスは、1年かけて配信される6人の追加キャラクター(アレックス、いぶき、ガイル、ジュリ、バイソン、ユリアン)を対戦用のプレイアブルとしてリリースされると同時に使用できるものです。それに加えて、そのキャラクターに紐づくアレンジコスチュームが一着ずつついてくる、というものです。アレンジコスチュームについては、今後PSストア上でダウンロードコンテンツを購入するような形で、有料コンテンツとして売り出す措置をとらせていただきますが、だからといってシーズンパスを購入済みのユーザーさんは、改めて買い直す必要はありませんし、本来入手できるコンテンツはそのままです。ご安心ください。また、アレックスとガイルを無料で使える期間が長く、お金やファイトマネーを払うべき体験がすべてのユーザーで行えてしまうことへ、不満を募らせているシーズンパス購入者さんもいらっしゃると思います。そこには我々も配慮しなければならないので、お詫びとしてシーズンパスを購入していただいたユーザーさんにはガイルステージを無料で配信という対応を取らせていただきました。

――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。

綾野 いろいろとご不便、ご不満をおかけしていることは把握しております。そこについてはたいへん申し訳なく思っております。今回の大型アップデートを機に、『ストリートファイターV』は生まれ変わり、皆さんの要望にも応えていきたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いいたします。

最終更新:7月1日(金)17時1分

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