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スヌーピー展好評 「キャラ×展示会」新事業

オリコン 7月2日(土)7時0分配信

 ソニーミュージックグループでは近年、催事ビジネスの積極的な展開が目立つ。4月23日に開館した「スヌーピーミュージアム」はオープン時から盛況で、早くも新人気スポットとなっている。成功の背景をソニー・ミュージックエンタテインメント コーポレートSVPの古川愛一郎氏に聞いた。

中目黒のカフェ「PEANUTS Cafe」がプロデュースしたフード&ドリンクメニューも揃う

■軸足はあくまでもエンタテインメントビジネス

 古川愛一郎氏は昨年4月にソニー・ミュージックコミュニケーションズ(SMC)の代表取締役に就任し、現在はソニー・クリエイティブプロダクツ(SCP)の取締役会長と兼務。さらに他のグループ企業でも役員を務め、事業領域を越えた横連動が必要な案件をけん引している。

「軸足としてはあくまでもソニーミュージック全体を貫くエンタテインメントスピリットにあります。SCPでは、キャラクターを通じて驚きや感動をお客様に提供する。SMCでは、武器であるクリエイティビティやソリューションスキルで、クライアントのヒット創出をお手伝いする。IPを持つ側の立場も理解しつつ、同時にその価値を最大化するソリューションも提案していきたい。そのためには、どんどん変化する市場動向をいち早くキャッチアップしていく必要があり、我々は常にその対応スピードを上げる努力を続けています。例えばいったんソニー籍になっていたディスク製造工場のソニーDADCジャパンをソニーミュージックグループに再度編入したのもその1 つ。グループ内に、制作から製造・販売・物流までの一貫した流れを築くことによって、他にはないワンストップソリューションを提供することが可能となりました。結果、お客様にはスケールメリットを感じていただけるようになったかと思います」(古川愛一郎氏/以下同)

■コンテンツに合わせその時代なりの感動を提供

 そうしたグループ企業を横断するIP関連の新規ビジネスの1つとして、“エキシビション・ビジネス”を推し進めている。最新の成功事例に「スヌーピーミュージアム」がある。

「まずは前提として、ピーナッツというコンテンツ自体が持つ力が背景にあります。老若男女に対する圧倒的な認知度と、ある種のインテリジェンスを刺激する文化性。さらに色褪せないファッション性がある。エキシビションというのは、強力なコンテンツを軸に、場を設定し、付加価値を演出し、お客様を魔法にかける、“聖地”を生み出す仕組みです。今回は本家ミュージアム唯一のオフィシャルサテライトという意味で、本国でしか見ることのできない原画やアイテムを展示するなど、すべて本物を揃えました。展示は半年毎にテーマを変えてリニューアルし、二度三度と足を運びたくなるような工夫をしていきます。加えて、販売するグッズはほぼすべてがミュージアム限定のオリジナルで、来場したお客様に感動を持ち帰っていただけるように。また併設カフェでは、誰かに発信したくなるような演出にこだわりました。六本木という都心にありながら緑豊かで閑静な文教地区というロケーションにも恵まれ、場所柄、インバウンドも期待しています」

 エキシビション関連では、ロックバンド・KISSの世界初となる博覧会を10月に開催することがアナウンスされており、さらに17年にはデヴィッド・ボウイのキャリアを総括した大回顧展も予定されている。

「特にKISSの場合は、たとえ音楽は聴いたことがなくても、そのメイクやロゴは非常に認知度が高い。つまりファッションアイコンとして有効なので、関連マーチャンダイズなどは展開しやすい面があります。SCPでは日本国内ライセンスエージェント権を獲得し、日本なりのアレンジを加えたブランディングを行うことで、よりKISSファンのボリュームを拡大できるのではないかと考えています。デヴィッド・ボウイにしても、強力なキャラクターを有する稀有なビッグネームであることでは共通する。つまりは強力なコンテンツです。例えば、パッケージ市場がシュリンクする状況なら、市場シェアを拡大する努力の一方で、“こういう側面も魅力的だよね”という部分を開発して、イベントやグッズ等を用意し、IPホルダー側とも相談しながら展開を考えていくことが重要。あくまでコンテンツに合わせ、その時代なりの感動を提供するのが基本ですから」

■インディーズ的な動きにエンタテインメント軸を加える

 ことキャラクターのライセンスビジネスという視点からは、ピーターラビット、きかんしゃトーマス、リサとガスパールといった歴史あるIPで、SCPは着実に実績を積んできた経緯があり、ファッション・ドール「バービー(Barbie)」のマスターライセンス権獲得も先日発表された。

「基本的に、マーケティングやブランディングの軸は本国にあるのが一般的。その結果、バービーは日本でもキッズ向けマーチャンダイジングが中心でした。しかし今回、SCPがマスターライセンシーになることで、より日本市場にフィットさせることができるという自負はあります。日本はやはり特殊で、キャラクターは子どもだけのものでは決してないからです。すでにマテル社さんとは、きかんしゃトーマスでの実績により信頼関係があります。ここ数年開催している、大井川鐵道でのトーマス号実機走行では大成功をおさめています。バービーについても、5年10年かけて日本市場に定着させていこうと考えています」

 また、バレーボールのボトムアップのために始動し、早くも話題となっている姫路市を拠点としたクラブチーム「ヴィクトリーナ姫路」においても、実はキャラクターやロゴデザイン、イベント運営などバックヤードでSMCが関わっているという。

「姫路市という自治体に根付いた、完全にインディーズ的な動きに、エンタテインメント軸を加えることで、活性化のお手伝いができるかもしれない。そういう意味では、自社開発のIPであれ、クライアント案件であれ、面白そうなことを発見する嗅覚と、冷静なマーケティングの視点、どちらも不可欠なのだと思います」

 2020年に向けては、オリンピック本体というよりも、むしろ周辺で起きてくる新しい技術や視点、現象に注目し、プロジェクトを走らせているという。ソリューションを担う会社として、グループ企業間のみならず他社との連携も自在にこなせるSMCの存在意義もますます大きくなりそうだ。
(コンフィデンス 16年7月4日号掲載)

最終更新:7月2日(土)7時0分

オリコン

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。