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東北、関東、北陸―渇水 九州、北海道―長雨 極端天気

日本農業新聞 7月1日(金)12時0分配信

 九州や北海道で続く大雨、関東甲信や東北南部、北陸では深刻な水不足――。「水」を巡って列島が両極端の天候に悩まされている。雪不足に加えて雨が降らず米作りを諦めた農家や、梅雨前線の停滞でオクラなどの露地野菜が打撃を受けた産地もある。気象庁が30日に発表した1カ月予報では、北海道、北陸などでは平年より降水量がかなり多く、九州では平年並みの見通し。関東は平年並みで、水不足が解消されるかは不透明だ。

オクラ打撃・・・今年も 鹿児島・JAいぶすき

 停滞する梅雨前線の影響で、1カ月近く雨が降り続く鹿児島県。長雨と強風によってJAいぶすき特産の露地オクラは傷がつくなどの被害で、出荷量は半減した。「雨と風が強く、花が咲いても受粉できない。実がなっても風で傷つき、出荷できるのは半分以下。秀品も少ない」とJAの指宿オクラ部会の部会長、前川信男さん(51)。JAの指宿地区でも1日当たりの出荷量が5トンと半減、秀品率も落ちた。

 JA管内では昨夏も長雨でオクラの出荷量は9割減、貴重な冬の収入となるソラマメやスナップエンドウも1月の大寒波で出荷量は3分の1以下になった。それだけに産地は天候の回復を待ち望んでいる。

・20年で初―北海道

 「梅雨がない」といわれる北海道もここ1カ月、平年の4倍以上の雨が降った。特に深刻なのが日高や空知、胆振地方だ。32ヘクタールで米やカボチャなどを作るむかわ町の農家、小坂幸司さん(49)は「農作物の生育が全般的に遅れており、ここまで雨ばかりの年は20年間農業をしていて初めてだ」と困惑する。

「干上がる」米農家不安 群馬・JA邑楽館林

 異常気象をもたらすエルニーニョ現象の影響で平年より雪が少ない上、5月の少雨が重なり、水不足に悩む産地も相次いでいる。

 ダムの貯水率が平年の半分まで減り、16日から10%の取水制限が続く利根川水系。同水系から農業用水を引いている群馬県千代田町では、一部地域で6日間水を入れて、2日間は止めるという輪番制を導入した。同町の飯塚和江さん(60)の家でも30日、約1週間遅れで田植えをした。「例年は1日あれば代かき用の水がたまるが、今年は3日かかった」。米農家の小林博泰さん(63)も「今後も晴れる日が続けば、田の水は干上がってしまう」と不安げだ。

 JA邑楽館林は「今年は猛暑といわれており、水不足で米の品質が下がってしまうのではないか」(営農対策課)と気をもむ。

・田植え断念―福島

 福島県はさらに深刻だ。米どころの天栄村や石川町のダムでは、水が少なく農業用水の供給がストップ。JA夢みなみ石川営農センターは「ダムの水を利用している米農家の大半で田の土が露出し、ひびが入っている。かなり深刻な状況で数人が田植えを諦めた」と途方に暮れる。

「警戒緩めずに」1カ月予報

 今後、長雨や渇水は解消に向かうのか。気象庁の1カ月予報では北海道、東北、北陸の降水量は平年に比べてかなり多くなり、関東以西は平年並みの見通し。全国的に気温が高く、じめじめした天気になる。

 同庁は「関東など水に困っている地域では、5月からの積算降水量が少ない状況が続き、水不足の解消に至るかは不透明だ」(気候情報課)とみる。雨が多い九州などでは「地盤が緩んでいるため、梅雨末期の集中豪雨が重なれば、さらに土砂崩れが増える」(同)として、厳重な警戒を呼び掛ける。(尾原浩子、隅内曜子、山崎笙吾)

日本農業新聞

最終更新:7月1日(金)12時0分

日本農業新聞

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