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特急列車の衝突寸前トラブル原因 運転士、司令員とも停止位置の確認怠る JR長崎線竜王駅

佐賀新聞 7月1日(金)10時24分配信

運輸安全委「過去にも同様事例」

 昨年5月に佐賀県杵島郡白石町のJR長崎線肥前竜王駅で特急列車同士が正面衝突寸前となったトラブルで、運輸安全委員会は30日、運転士と指令員が互いに停止位置の報告や確認を怠り位置の認識が異なった状態のまま運転を再開したことが原因とする調査報告書をまとめた。JR九州に対し、運転士と指令員の相互確認の徹底や関係者への教育と訓練の充実を求めた。

 報告書によると、トラブルは昨年5月22日午後0時20分ごろに発生。直前に異常音を感知して緊急停止した下り特急かもめ19号(博多発長崎行き)が運転を再開した際、駅の本線から待避線に誤って進入し、ブレーキをかけた。その直後に上り特急かもめ20号(長崎発博多行き)が対向して待避線に入り、93・7メートル手前で緊急停止した。

 19号が異常音で停止した際、先頭車両は駅手前の信号機を過ぎていたが、指令員は信号機の手前で停止していると誤認。先に20号を待避線に誘導するため分岐器を操作した。この時、19号側も待避線に入るよう分岐器が転換するが、運転再開後に停止信号で止まるはずだと判断した。実際は信号機を過ぎていたため、運転士は信号機を確認せずに本線に入ろうとし、先に待避線に進入した。

 原因として、19号の先頭車両は駅の信号を過ぎていたが、信号通過を検知するポイントの手前で止まっていたため、指令員のモニターでは信号を過ぎていると表示されなかった点などを挙げた。

 報告書は、JR九州が過去にも運転士と指令員の間で停止位置の認識が異なるトラブルが発生した際、対策を作成していたのに「教訓が生かされなかった」と指摘し、事故の背景や理由を十分に教育する仕組みを確立させるよう求めた。

 JR九州はトラブル後、指令員に対し、運転士の停止位置報告とモニターの表示が一致しているか確認するなどの再発防止策を講じている。

最終更新:7月1日(金)10時24分

佐賀新聞