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「収穫あり」と錦織は2回戦突破、土居も5年ぶりのグランドスラム3回戦進出 [ウィンブルドン]

THE TENNIS DAILY 7月1日(金)14時26分配信

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日~7月10日)の第4日。

錦織が2回戦突破でウィンブルドンでのマッチ10勝目 [ウィンブルドン]

 この日もウィンブルドンは何度か雨に邪魔されたが、前日の遅れはかなり取り戻した。本来前日に2回戦が行われるはずだった日本勢も全員登場。第5シードの錦織圭(日清食品)はジュリアン・ベネトー(フランス)に4-6 6-4 6-4 6-2で逆転勝ちし、女子では土居美咲(ミキハウス)が第15シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を7-6(5) 6-3で破ってグランドスラムで5年ぶりの3回戦進出を決めた。しかし同じコートに続けて入った奈良くるみ(安藤証券)はカリナ・ビットヘフト(ドイツ)に3-6 0-6で敗れた。

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「あんなに雨を願ったのは初めて」------願いは通じて1回戦のあと2日間空いて迎えた2回戦。センターコートに試合が入ったことに関しては、「テレビ局の力って大きいんだな」と謙虚な感想を口にしたが、だからといって大舞台に浮き足立つことも気負うこともない。

 迎えたのは世界ランキング547位のベネトー。ヘルニアで8ヵ月ツアーを離れていたためその位置にいるが、今大会は「39位」というプロテクト・ランキングを使って出場している。547位が実力を示していないことは言うまでもないが、ケガから復帰した喜びや、限りあるプロテクト・ランキング(ケガで戦線離脱した選手に対する救済措置)のチャンスを生かすのだというモティベーション、ハングリーさという点がプラスαとなり、「39位」に対する警戒以上のものが必要だったかもしれない。

 立ち上がりからベネトーの気迫が伝わった。果敢にリターンダッシュを仕掛けたり、錦織のお株を奪うジャンピングショットを見せたり…。そうしたチャレンジの成果が第10ゲームでのブレークだろう。第1セットを奪ったのはベネトーだった。

 ケガの悪化の不安から、試合が長引くことを恐れているはずの錦織の戦意を心配したが、杞憂だった。
「ストローク戦で押されていたので、少しリズムを変えるように心がけた」という錦織はそこから危なげなく、まずは第2セットの第7ゲームを3度のデュースの末にブレーク。緩急をつけてラリーの主導権を握っていく。第3セット第5ゲームを2度のデュースのあとブレークすると吠え、第7ゲームも連続ブレーク。第4セットも2度ブレークに成功してリードを広げ、34歳に反撃の機を与えなかった。

 勝ったことはもちろん、脇腹の状態が「1試合目よりははるかによかった。それで勝てたことが収穫」と言えたのが何よりだ。ただ、2日休んだ分、次は休みがなくなった。アンドレイ・クズネツォフ(ロシア)との3回戦は翌日だ。「さすがに(体調が)100%に戻ることはない」と言うが、ベネトー戦の第1セットを失ったときの嫌な予感は、試合を見終わったときにはほとんど消えたといっていいだろう。

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 このウィンブルドンで予選から勝ち上がって3回戦に進出したのが2011年。土居のグランドスラム3回戦進出はそれ以来だ。

 2回戦の相手プリスコバは強敵だった。186cmの長身からのサービスが武器で、前哨戦のノッティンガムで優勝、イーストボーンでは準優勝と絶好調。そのイーストボーンの3回戦で土居は敗れている。

 しかし「サーブさえ崩せばチャンスはある」とリターンに集中力を研ぎ澄ませ、チャンスをうかがった。左からのトップスピンでウィナーを次々と奪う。第1セットは互いにワンブレークでタイブレークに突入。第12ゲームのリターンでは3度セットポイントを逃していたが、「簡単にブレークできないことは試合前から覚悟していた」と、土居らしいアグレッシブなプレーでタイブレークを取りきった。

 第2セット最初のゲームでブレークしたが、踏ん張りどころは第8ゲーム。15-40でプリスコバのブレークバックのチャンスだったが、いったんデュースに戻し、アドバンテージでふたたびブレークポイントを握られると、ラリー戦を制してここも乗りきった。そして最後は土居がブレーク。ラストゲームだけで3本、フォアハンドのウィナーがあった。

「勝敗よりも何をすべきかということを考えながらプレーしていた」と、とにかく試合を通じて冷静さを維持したことで勝利を呼び込んだ。その姿勢は試合後も続き、5年ぶりの3回戦進出にも「まだ終わっていない。次がある」と土居。次は57位のアンナ レナ・フリードサム(ドイツ)だ。過去2勝している相手で、自身初の4回戦進出がかかっている。ここは負けられない。

(テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

最終更新:7月1日(金)14時26分

THE TENNIS DAILY

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。