ここから本文です

韓国首相が瀋陽を初訪問 対北朝鮮メッセージを中国黙認

ハンギョレ新聞 7月1日(金)11時17分配信

南北の「銃声なき戦場」 外交的駆け引きの成果

北朝鮮と隣接する東北3省の交通ハブ
各国が熾烈な情報戦が展開
韓国の首相として初の訪問
中国はやむをえず受け入れ

映画『将軍の息子』撮影地・西塔街
韓国レストランで昼食会
中国側「警護のため動線を最大限短く」

 韓国の黄教案(ファンギョアン)首相が、中国訪問の最終日の30日を瀋陽で過ごした。瀋陽は遼寧省の省都で東北3省の交通ハブだ。東北3省(吉林、遼寧、黒龍江)は、北朝鮮と1500キロメートルにわたる国境で接していて、脱北者問題が頻発するうえに、吉林省には朝鮮族同胞が集住しているため、韓国、北朝鮮、中国にとり外交的に敏感な地域となっている。冷戦期のベルリンのように各国の情報戦が熾烈で「銃声なき戦場」でもある。こうした地理的敏感性のため、中国政府は今まで韓国政府の高位要人の瀋陽訪問を避けてきた。今回の韓国首相の瀋陽訪問が初めてだったのはそのためだ。

 当然ながら、黄首相の瀋陽訪問は中国側の提案で実現したわけではない。韓国政府関係者は30日、「黄首相の瀋陽訪問成功の過程には韓中両国の激しい外交的駆け引きがあった」と話した。韓国政府の強い要求に中国側がやむをえず受け入れたということだ。

 政府関係者の話を総合すると、当初韓国側が黄首相の訪問地域に瀋陽を入れると言った時、中国政府はしばらく何も答えなかった。そのうち「習近平主席が5月に黒龍江省を訪れ、東北3省の経済開発を支援する意思を明らかにし、(経済政策を総括する)李克強首相は遼寧省党書記(2004~2007年)を務めた」という「返信」を送ってきた。「瀋陽に行くのは、対北朝鮮圧迫のメッセージではなく、できる限り韓中経済協力側に焦点を合わせてほしい」という外交的メッセージだとするのが韓国政府関係者の“解説”だ。

 中国政府が黄首相の瀋陽訪問を受け入れると、韓国はさらに一歩踏み出した。黄首相の訪中最終日程の「同胞昼食懇談会」を瀋陽西塔街の韓国レストランで行うと中国側に知らせた。映画『将軍の息子』の撮影地としても有名な西塔街は、瀋陽の代表的なコリアタウンだ。日帝強制占領期間の1920年代から韓国人が集まり、現在は韓国人4000人、朝鮮族1万1000人、北朝鮮人700人程度(政府推算)が入り乱れて暮らしていることで知られる。北朝鮮のレストランも10店ほどある。当初、中国政府は「西塔街はとても複雑で警護が困難」という反応を見せた。「行くな」という外交的メッセージだ。その渦中に、韓国側から黄首相が西塔街を訪問するという追加の要求まで出され、中国側は「西塔街での動線を最大限短くして欲しい」と注文した。このため黄首相は西塔街の韓国レストランでの同胞昼食懇談会を20分余りで終え、街路を見て回ることは出来なかった。

 韓国政府関係者は「『北朝鮮』と口にすれば対北朝鮮メッセージになるわけではない。首相の瀋陽訪問と西塔街懇談会自体が意味ある対北朝鮮メッセージだと考える」と話した。中国政府が韓国政府のこうした本心を知らなかったはずもない。韓国首相の瀋陽訪問要求をやむをえず受け入れたかのような意識的な中国政府のジェスチャーにも、韓国、北朝鮮、国際社会に伝えたい「外交的メッセージ」が含まれていると言える。

イ・ジェフン、キム・ジンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月1日(金)11時17分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。