ここから本文です

知英、性同一性障害の留学生役に共感「自分らしく生きていくために…」

クランクイン! 7月1日(金)16時30分配信

 トレードマークである美しい黒髪と可憐な笑顔を封印し、映画『全員、片想い』のエピソード4『片想いスパイラル』の主演を務めた知英。性同一性障害という事情を抱え、韓国から来日した留学生ソヨンになり切った。劇中では、映画では初めて見せるという激しい乱闘や喫煙シーン、さらには同性へ想いを寄せる切ない眼差しと様々な顔を見せ、新境地を開いている。「『あれ、これ知英?』と、わからない方が多いと思います。本当に別の世界の知英です」とにっこり微笑む彼女に、役にまつわる想いと「片想いの経験はない」(!)と言い切った言葉の真意に迫った。

【関連】「知英」フォトギャラリー


 映画『全員、片想い』は、さまざまな形の片想いを8つのエピソードで展開するアンソロジー作品。高校生のみずみずしい初恋や奔放に見える女性の意外な純愛、そして全編台詞なしでサイレント仕立ての物語があるなど、バリエーション豊富。知英も発案自体に惹かれたと言い、「素敵な企画だなと思いました。世の中には恋している人たちがたくさんいるでしょうけど、自分はどの恋だろう、と振り返られるとも思うんです」と、作品の楽しみ方について語る。

 知英が主演を務めたのは『片想いスパイラル』。知英演じるソヨンがルームメイトの女性を好きになるが、その子はソヨンの男友達に想いを寄せていき、ソヨンは複雑な気持ちを隠したまま彼女の恋を応援するという物語だ。「たった3日間の撮影だったんですけど、本当にギュッと詰まった時間でした」と、知英は濃厚な撮影期間を振り返った。

 ソヨンは巷で言う“イケメン女子”。ショートカットに革ジャン姿で、発する声まで地声とは別人のように低い。知英は、「私にとっては新しいキャラクターだったからこそ、やり切った感がすごくあります。撮影前からずっと『私は男だ、男だ』と言い聞かせていました」と、徹底した役作りをしたという。普段の知英とは正反対のように映るが、「ソヨンは韓国人の留学生で、自分らしく生きていくために韓国から日本に来たじゃないですか。私も韓国から日本に来てやっているので、ちょっと似ているところもあるんです」と自国を離れ活動している、現在の自身に重ね合わせる。


 作品では、ソヨンが性同一性障害という自分の状態について思い悩む姿が描かれる。現在は日本でもジェンダーレスが進み、在りし日に比べ、差別のような認識はなくなっているようにも思う。しかし、本作を見るとそれでも生きづらく、葛藤を抱えている人たちがいることをまざまざと思い知らされ、胸がざわつく。知英も「難しい問題かもしれません。あくまで私の考えですけど」と前置きした上で、「ソヨンはずっと隠してきた人物です。演じてみて、私は自分を隠すのではなく、素直になれたら周りが受け入れてくれるかもしれないと思いました。片想いですけど、正直に言えば相手はわかってくれるかもしれないと考えました」と、悩みながら演じた今だからこそ感じた想いを打ち明けてくれた。

 一方、知英自身の片想いエピソードを聞けば、「考えてみたんですけど、片想いはないんですよね」と、あっけらかんとした表情。ただ、モテたので片想いの経験がない、という意味ではないらしい。「全部両想いというわけでもないですよ~。相手が自分に興味がなかったら、あまり自分も興味はないので。相手が私を好きじゃないのに何で私が好きなの?って思っちゃう」と、きっぱり。さらに、「私は好きなら好きって自分から言うタイプなので。相手が自分を好きならそれで両想いになるというか。きっと性格がせっかちというか、はっきりしたいタイプなのかもしれませんね(笑)」と、役とは異なる積極的な一面もちらつかせていた。(取材・文・写真:赤山恭子)

 『全員、片想い』は7月2日より全国ロードショー。

最終更新:7月1日(金)16時30分

クランクイン!

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。