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日ハム・高梨の才能を開花させた元巨人・名伯楽の教え

ベースボールキング 7月1日(金)10時0分配信

出会い

 日本ハム3年目右腕・高梨裕稔の存在感が、日に日に増している。初めて開幕一軍入りを果たすと、リリーフで登板した4月1日のソフトバンク戦でプロ初勝利を飾った。その後もリリーフでチームに貢献していたが、交流戦途中からは先発を務め、6月8日の広島戦では6回途中2失点で、先発としての初勝利も挙げている。

 千葉県立士気高校時代は、無名の選手だった。無印からの開花には、名伯楽の存在があった。中学時代は三塁手、投手に転向した土気高では3年夏の県大会3回戦が最高成績。山梨学院大への進学も「遠いから、やめようかな」と迷ったくらいだ。そこで監督として出会った故・高橋一三氏が、高梨の運命を変えた。

スライダー禁止令

 巨人、日本ハムで通算167勝を挙げた高橋氏は、指導者としても引き出しの宝庫だった。速球派としてV9巨人の左腕エースと呼ばれ、日本ハムに移籍してからは遅いボールで打者をほんろうするという両極端の経験を持っていたからだ。高梨の素質を見抜き、まず与えた指令はスライダーを投げさせないことだった。体を縦に使うクセをつけ、現在も武器にしているカーブとフォークボールを磨かせた。

 高梨にとって高橋氏は優しい、おじいちゃんのような存在だったという。食事に何度も誘われ、プロ時代の話を聞いた。日本ハムに入団した最初の自主トレで、球団の歴史を伝える映像に恩師の姿を見つける。般若のような顔での熱投は、高梨の知る姿とは全く別人。これから進む世界の厳しさを感じ取ることができたはずだ。

 1年目は二軍で1勝8敗。しかし、プロの世界で生きる“覚悟”があったからこそ踏ん張り、向上することができたのだろう。2年目の昨季は、二軍で11勝をマークすると、今季はキャンプからアピールに成功し、開幕一軍の座を勝ち取った。開幕後は、リリーフで結果を残し、6月8日の広島戦で先発のチャンスを掴む。

 現在、日本ハムは7連勝中だ。2位ロッテとは1ゲーム差。背中が見える位置に付けている。1日からは首位・ソフトバンクとの対戦。高梨はその初戦を託された。相手がどこであれ、雑草のような逞しさで掴んだ一軍を、簡単に手放すわけにはいかない。

BASEBALL KING

最終更新:7月1日(金)10時0分

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