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エルヴィス・プレスリーとロックンロールのギター・サウンドを作り出したスコッティ・ムーアが他界

RO69(アールオーロック) 7/1(金) 15:35配信

エルヴィス・プレスリーのツアーやレコーディングに最初期から60年代まで参加し、その鮮烈なギター・サウンドでエルヴィスとロックンロールを世界中に広めたといってもいい、ギタリストのスコッティ・ムーアが他界した。

スコッティはここのところ体調を崩していたというが、6月28日にナッシュヴィルの自宅で息を引き取った。享年84だった。

スコッティはテネシー州フンズヴォルト近郊の農場で育ち、8歳からギターを弾いていたが、海軍勤務を経て除隊後の52年にメンフィスへ移り、カントリー・ウェスタンのバンドに参加してここでベーシストのビル・ブラックと出会った。

1954年にスコッティとビルはサン・レコードのオーナーのサム・フィリップスにエルヴィスと引き合わせられ、レコーディングを試みることになったが、リハーサルの休憩中のエルヴィスの鼻歌からビルとスコッティは“That’s All Right”のアレンジを考案し、それをそのままレコーディングし、エルヴィスのデビュー・シングルとして完成させた。その後、エルヴィスとスコッティとビルはブルー・ムーン・ボーイズとして活動を開始し、ラジオ出演とライブをこなしながら南部一帯で人気を博すことになった。翌年にはドラムのD・J・フォンタナが加わり、エルヴィスを支える不動のユニットが出来上がり、サン・レコードで“Mystery Train”などの名音源の数々を制作していった。

1956年にエルヴィスはRCAと契約を交わし、スコッティとバンドも同時にRCAに移籍したが、これを機にスコッティたちはアーティストとして表記されなくなった。第1弾シングルとなった"ハードブレイク・ホテル"はエルヴィスにとって初のチャート1位曲となったが、もちろんこの曲も、その後の代表的なヒット曲の数々もスコッティらとともにレコーディングされたもので、ツアーも3人がエルヴィスに同行していた。

エルヴィスは60年代に入ってから俳優業に追われることになったため、オリジナル・アルバム制作は極端に減ることになったが、その間もスコッティはエルヴィスのレコーディングに参加し、エルヴィスが再び音楽活動に本腰を入れるきっかけとなった1968年のテレビ特番(いわゆる『68カムバック・スペシャル』)でもスコッティはD・J・フォンタナらとともに出演(ビルは65年に他界していた)。しかし、その後は一切声がかからなくなり、ツアーもレコーディングにも参加することなく、エルヴィスと直に接したのも68年の特番が最後だったという。

その後はプロデューサー業に励み、ジェリー・リー・ルイスやリンゴ・スターらの作品を手がけることになった。2000年にはロックの殿堂入りも果たし、その後、ミュージシャンやメンフィスなど、さまざまなジャンルの殿堂にも名前を連ねることになった。

エルヴィス・プレスリーの元妻のプリシラ・プレスリーは次のようにスコッティを悼んでいる。

「エルヴィスはスコッティを心から愛していて、スタジオでもツアーでも、一緒に活動したあの素晴らしい日々をずっと懐かしんでいました。スコッティは類稀なミュージシャンで、彼自身がそれだけでひとつの伝説にふさわしかったのです。スコッティとエルヴィスが一緒に作り出したとてつもない音楽は永遠に生き続けるはずですし、この先いくつもの世代の人たちに影響をもたらすことでしょう」

サン・レコードのサム・フィリップスの息子ジェリーは次のようにスコッティを偲んでいる。

「エルヴィス・プレスリーはスコッティ・ムーア抜きにはエルヴィス・プレスリーにはなってなかったはずだよ。これは親父もそういってたはずだと思うな。忘れちゃならないのはあの頃の音源には3つしか音の要素はないんだからね。スコッティ、ビルとエルヴィスだけだよ。スコッティがすべてがうまくいく要になってたんだよ」

ザ・ローリング・ストーンズのキース・リチャーズは、昨年10月に病気のためメンフィス音楽の殿堂入り式典に出席できなかったスコッティの代理でこの式典に出席し、次のようにスコッティについて語っていた。

「俺はアコースティックでギターを始めて、スコッティ・ムーアを聴いてエレクトリックへと変えたんだ。スコッティのビル・ブラックとエルヴィスとの取り組み方は、音楽的にさまざまな可能性を開いたんだよ。俺やほかのいろんな連中にとってそれがきっかけになったんだ」

キースはツイッターで「俺の最初のインスピレーションとなってくれたスコッティ・ムーアにみんなでさよならを告げるのはとても悲しいよ……」と悼み、スコッティとの画像を上げている。

キースのツイートはこちらから。
"It is with great sadness we say goodbye to Scotty Moore, my first inspiration..."https://t.co/wPm4Vre52a pic.twitter.com/BL3eQfNw7Q— Keith Richards (@officialKeef) 2016年6月30日
 

RO69(アールオーロック)

最終更新:7/1(金) 15:35

RO69(アールオーロック)