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あす選挙サンデー 街頭演説に学ぶ心をつかむスピーチ術3つのスキル

ZUU online 7月2日(土)10時10分配信

「この人の話、退屈だなあ」--。

7月10日に投開票が行われる第24回参議院選挙。経済政策と憲法改正が主な争点とされている今選挙はまた、選挙権年齢を20歳から18歳へ引き下げる改正公職選挙法、いわゆる「18歳選挙権」が初めて適用されることでも注目されている。

現在真っ只中の選挙戦だが、その定番といえば街頭演説だろう。ネット選挙が解禁されているとはいえ、有権者の前で直に言葉を伝えられる街頭演説は、浮動票の獲得には有効な手段である。駅前でマイク片手に声を張り上げ熱弁を振るう候補者やその応援をする大物議員の姿は、誰しも一度ならず目にしているはずだ。

ここで今一度、冒頭の言葉を読んで欲しい。

「つまらない」「まったく頭に入ってこない」。街頭演説を聞いていてそう感じたことはないだろうか。反対にグッと引き込まれる演説を体験したこともあるだろう。この差は、話の内容ではなく、話し方によるものだ。今回は心の専門家として、「人の心をつかむ話し方」を紹介する。

■呼吸をコントロールする重要性

イメージして欲しい。

あなたの目の前で、街頭演説が行なわれている。たすきを掛け、右手にマイクを持ち懸命に想いを訴える候補者。

さて、その候補者の左手は動いているだろうか。

一つ目のスキルは、この「手」にある。もちろん人目を引く上でも効果的だが、それだけではない。実は、手や首の動きで人の呼吸をコントロールすることで、相手に安心感を与えることができるのだ。

やり方は簡単だ。話す際、自分が呼吸をするタイミングで、頷くように首を動かしたり、タクトを振るように手を動かしたりするだけだ。これを続けると、次第に話を聞いている相手も自分と同じリズムで呼吸をするようになる。呼吸のタイミングと言われてもピンと来ないかもしれないが、人は、文章にして「、」や「。」が入るところで息つぎをしているので、それを意識してほしい。

こうして呼吸や態度などを相手と合わせることをペーシングというのだが、これは相手と無意識的な信頼関係を築く上で重要なスキルである。信頼は安心感を生む。居心地が良くなり、もっと話を聞きたいという興味もわく。

実際、オバマ大統領や故スティーブ・ジョブズ氏のスピーチは言葉が分からなくとも引き込まれる魅力があるが、どちらも手の動きが印象的だ。小泉純一郎元首相も同様に、上手にこのスキルを応用している。また、滝川クリステルさんのオリンピック招致スピーチも良い。頭の中であの「お・も・て・な・し」のシーンを再生するだけで、手の動きに自分の呼吸のリズムが合っていくのが実感できる。

■詳しくよりも、なんとなく

2つ目のスキルは、イメージ化だ。

一般的に左脳は言語脳、右脳はイメージ脳と呼ばれる。このうち、情報をより速く・より多く・より長く記憶できるのは後者である。ならば当然、演説ではイメージが浮かびやすいように話し、傍聴者の右脳にアクセスすべきだろう。細かく理論的な説明は、左脳で処理されるので逆効果だ。

日常よく耳にする「東京ドーム◯個分」「汗ばむような」「車で◯時間ほど」と言った比喩表現こそ、右脳にアクセスする手軽な方法である。それぞれ広さ・気候・距離を表しているが、正確な数値は分からなくとも、聞いただけでなんとなくは分かる。1つ目のスキルの紹介の始めに書いたように、「〇〇しているところをイメージしてください」と語りかけるのも良い。

どちらの表現もおそらくほとんどの人が日頃使っているので、難しいスキルではない。気をつけたいのは、演説時の意識である。前述の通り、左脳にアクセスするのは非効果的なのだが、人前で話すとなると、得てして「詳しく正確に」伝えなければという心理が働くものだ。

豊富な知識をふんだんに盛り込んだスピーチで満足するのは自分だけだ。傍聴者の多くは理解が追いつかず、あっという間に退屈し、翌朝にはほとんど記憶から消えてしまう。目を瞑って聞いてイメージが浮かぶかが、右脳にアクセス出来ているか否かの目安になるので、友人と練習してみると良い。

■沈黙がもたらす2つのメリット

最後に紹介するのは、沈黙である。

沈黙とは、何も話さず一呼吸、二呼吸と待つ「間」のことだ。先に挙げたスピーチの名手達は、もれなく沈黙も取り入れている。沈黙は、傍聴者に2つのメリットをもたらす。

ひとつは、集中力の持続だ。沈黙無き演説はリズムが単調になり、聞き手の集中力を奪う。お経が良い例だ。不謹慎と思いながらも睡魔に襲われた経験は、誰にでもあるだろう。反対に、沈黙があると聞き手は一息つき、集中力を回復させられる。

もうひとつは、情報の整理である。候補者の演説内容は、傍聴者にとって、大抵は新しい情報だ。いくら右脳で処理しても、次々に情報を与えられては頭がいっぱいになってしまう。だからこそ、沈黙の意味は大きい。ほんの数秒でいい。それまでの情報を整理する時間を与えることで、傍聴者にさらに話を聞く余裕を与えられる。

会話中の沈黙を怖れる人も多い。大勢の前でのスピーチとなれば尚更だ。人は、怖さを隠そうとすると口数が多くなるものだが、スピーチ力向上を考えるなら、勇気を出して間を作って欲しい。

選挙期間ほど、多くの演説をタダで見物できるチャンスはない。候補者の主張に耳を傾けると共に、紹介した3つのスキルを意識し観察して、街頭演説を楽しんでみてはいかがだろうか。

藤田大介 DF心理相談所 代表心理カウンセラー

最終更新:7月2日(土)10時10分

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