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不動産投資の利回り「ウソ・ホント」 想定通りにならない理由

ZUU online 7/2(土) 18:10配信

不動産投資についての失敗事例を学ぶことで、成功をより確実なものにしよう。今回は売り出し物件に記載されている「利回りのウソ・ホント」を紹介する。

■2種類の利回りの違いを知る

不動産投資では物件価格に対する家賃収入を利回りという数値で表している。いわば、投資に対するリータンとしての評価指標だ。ローンリスクや経費率を考えると8~10%は欲しいところだが、都内の物件は高騰しているため、4~5%程度が多い。定期預金などではほとんど金利が付かない時代だ、「株や債券と違って、実物資産が残るので最悪でもゼロにはなりませんよ」と言われれば、それでもお得に感じてしまう。

この不動産投資の利回りには2種類あるので混同しないようにしよう。単純に家賃収入をリータンとしてみた表面利回りと、必要経費を除いた利益でみる実質利回りだ。単に利回りと呼んでいる場合は表面利回りを指す。

◯表面利回り=想定年間家賃収入÷売買価格×100
◯実質利回り=年間家賃収益(年間家賃収入-年間経費)÷売買価格×100

当然実質利回りでみるべきだが、経費は運営してみないと分からない部分が多く、大家さんの運営方法にもよっても変ってくる。そこで、目安としては表面利回りが使われることになる。

大事なのはこれだ。「空室がある場合の表面利回りは募集家賃による架空の利回りで、実際の家賃収入による計算ではない!」
販売条件に書かれている家賃で空室が埋められなければ、表面利回りに意味は無い。

地方物件で利回り18%のRC物件を買った知人がいる。購入後、管理会社にこう言われたそうだ。「この和室中心の3DKを洋室の2LDKに変えてもらえませんか?」 買った瞬間にリフォーム代がかかれば当然運営経費に跳ね返り、利回りは下がってしまう。

■表面利回りに振り回されないための「3つのポイント」

表面利回りに振り回されないために次の3つを実行しよう。

1)近隣相場を確認する。
2)レントロール(貸借条件一覧表)を確認する。
3)空室率、運営経費を考慮した実質利回りを推定する。

購入時はマイソク(販売図面)の表面利回りを鵜呑みにするのではなく、近隣の家賃相場や空室率を調べて、現実に即した家賃を推定したうえで実質利回りを自分なりに計算したい。

■レントロールの隠れたホントを探す

今回はもう一つ、入居者の貸借条件一覧表や家賃明細とも呼ばれるレントロール(貸借条件一覧表)の見方をお教えしよう。

レントロールの書式に決まりはないが、一般的に部屋ごとの間取りや面積などの部屋の情報、契約家賃や共益費などの金額の情報が記載されている。預かり敷金、契約日、賃借人の属性(法人・個人)などが書かれているものもある。

レントロールを見るときはここを見て欲しい。

①家賃のバラ付き
②当初契約日

中古物件の場合、同じ間取りでも家賃にバラ付きのあることが殆どだ。これは、家賃が新築時に最も高く、年数の経過とともに下がっていくことによる。古くから借りている入居者は家賃が高く、最近入居した人の家賃が低いのだ。つまり家賃の高い(古くから居る)人が退去すれば、新しい家賃は大幅に下がることになる。

家賃の経年下落を把握するために、もう一つ当初契約日も確認したい。これが分かれば時系列による家賃の違いがより明確になる。家賃の差が大きい場合には家賃収入の下落の可能性を考慮しておく必要がある。直近の家賃で全体を再計算したものが実力としての利回りということだ。

利回りの裏側を見抜き、本当の市場利回りが分かるようなればより正確な投資判断ができる。ぜひ覚えていただきたい。

山本 常勝(やまもと つねかつ)
サラリーマン不動産投資家。定年の声が近づく中、自分年金作りを目標に53歳から本格的に不動産の勉強を始め、数多くの不動産を取得して賃貸事業を拡大、2.7億円の資産形成に成功する。登録メンバー1600名を誇る不動産投資サークル「ふどうさんぽ」事務局を務めながら、ファイナンシャル・プランナー(AFP)としても情報発信中。

最終更新:7/2(土) 18:10

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