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猛暑到来で熱中症など懸念増大「溢れる情報」を鵜呑みにしないで

デイリースポーツ 7月2日(土)10時0分配信

 気象庁の発表によると、ラニーニャ現象の影響などで今夏の日本列島は晴れる日が多く、猛暑となる見込み。熱中症などが例年以上に懸念されている。兵庫県伊丹市で地域のホームドクターとして奮闘している、たにみつ内科・谷光利昭院長は盛夏到来に向けて「溢れる情報」を鵜呑みにしないよう、注意を呼び掛けた。

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 最近、著名人の大病がマスメディアで頻繁に報じられ、健康への関心が今まで以上に高まってきている印象を受けます。それに伴って、健康に関するさまざまな報道や特集を毎日のように目にします。ただ、それらを“実行”する際には、よくよく考えてほしいのです。

 今、熱中症が懸念される時期ですが、こんな患者さんがいました。夏なのに血圧がどんどん上昇してきて、不思議に思って話を聞いたところ、好きでもないのに梅干しを食べていたとのこと。熱中症の対策には、塩アメや梅干しがいいとテレビ番組で紹介され、それを忠実に実行したのです。梅干しを食べるのをやめてもらうと、血圧はあっという間に低下していきました。

 ある人は、「先生、熱中症や、点滴して!」と来院されました。診察してみると軽い脳梗塞でした。他にも熱中症を疑って来られた患者さんがいましたが、感染性胃腸炎であったり、気管支炎であったり、めまい症であったり…さまざまなケースがありました。特に熱中症の特集番組が放送された翌日には、このように自分で診断をつけて来院する患者さんがたくさんおられます。熱中症は対処が遅れると、命にかかわることもあります。ですので、体の変調に気を配ることは決して悪いことではないのですが、“思い込み”により間違った対応をなされると、怖いということです。

 別のケースもあります。ある患者さんが足のむくみを主訴に来院されました。話を聞くと、テレビ番組で「水を2リットル飲むと体にいい」と言われて、それを実行したそうです。心不全の傾向があったり、腎臓が悪い人、高齢の人が2リットルもの水を飲んでしまうと、「体にいい」どころか、大きな悪影響が生じる危険性があります。

 また、ある人は「先生、おしっこが、止まらへんのや。特に最近は夜も眠れないくらい出るんや!なんとかしてくれ!」と駆け込んで来られました。詳しく聞くと、先ほどと似たような話で、脳梗塞予防のために睡眠前にたくさんの飲水をして、大好きなアイスコーヒーもがぶ飲みしていた。おまけにトイレに起きた際には、さらにコップ1杯の水を飲んでいた…。つまり、夜間頻尿の気がある人に対して、してはいけないことばかりしているのです。コーヒーに含まれているカフェインは、排尿を促します。睡眠前に摂取する多量の水分も排尿を促します。その上、多量のカフェインは覚醒効果もあります。まさに「トリプルパンチ」です。

 日々診察にあたっていると、この手の話には限りがありません。要は、情報番組や特集記事など健康促進や改善をうたうものは正しいことも提供してくれますが、すべての人に当てはまるとは限らないということです。特に猛暑の時期に、自分に合わない間違った健康法などを実践してしまった場合、体へのダメージは大きいでしょう。

 「溢れる情報」を見極めて利用するようにしないと大変なことになりかねません。また、少し調べればウソだろう?と分かるサプリメントを、多くの方が愛飲されているのを知ると医師として悲しい気持ちにもなります。効果がないだけではなく、実際に肝障害まできたしてしまうこともあるのです。夏の暑さが続くと食欲が減退しがちで、サプリメントで済まそうという人はたくさんいます。本当に注意していただきたいと思います。

最終更新:7月2日(土)11時41分

デイリースポーツ