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【U―23】手倉森監督 無風選考の裏に「ロンドン五輪戦術」

東スポWeb 7月2日(土)17時3分配信

 日本サッカー協会が1日、リオ五輪に出場する男子日本代表メンバー18人を発表した。すでに内定していたオーバーエージ(OA)枠の3人に加えて、欧州組のMF南野拓実(21=ザルツブルク)やスピードスターのFW浅野拓磨(21=広島)らが順当に選出された。サプライズはなく“無風”の選考となったが、その裏には世界で勝ち抜くための手倉森誠監督(48)の強い決意が込められていた。

 リオ五輪出場決定後に多くの新戦力をテストしてきたが、最後は手倉森ジャパンを長く支えてきた中核メンバーで本番に臨む決断を下した。指揮官は「いろんなことを試して、可能性を探り続けた。ただ(人選を)話しているうちに『結局(五輪)最終予選のメンバーだよね』というのはあった」と振り返った。

 一方で、注目を集めたOA選考では当初はFW本田圭佑(30=ACミラン)やFW岡崎慎司(30=レスター)、DF長友佑都(29=インテル)ら欧州で活躍するビッグネームの招集を希望していたが、最終的にFW興梠慎三(29=浦和)、DF藤春広輝(27=G大阪)、DF塩谷司(27=広島)という国内組のみの招集で決着した。

 OAについては賛否両論が出ているものの、欧州クラブの中には五輪への選手派遣に理解を示すケースもあり、大物とはいかないまでもA代表の欧州組を呼ぶことが可能だったという。しかし手倉森監督は協会側から提示された欧州組の選択肢を拒否。さらに国内組でも実績のあるFW大久保嘉人(34=川崎)らが挙がるなか、あえてこの3人を選んだ。

 この選手選考の裏には、2012年ロンドン五輪を指揮した関塚隆監督(55=現J2千葉監督)の影響があったという。指揮官は直近の試合視察でキーワードに「走れる選手、献身的に守備ができる選手」を挙げつつ「関塚さんの戦い方は参考になる」と関係者に漏らしている。

 ロンドン五輪に臨んだ関塚ジャパンは、1次リーグ初戦で優勝候補のスペインを破って勢いに乗ると、下馬評を覆して4強に躍進。守備を固めて快足FW永井謙佑(27=名古屋)のスピードを生かすカウンター狙いを徹底して功を奏した。現状の日本の実力でメダルを奪取するには、この戦法を参考にするのが現実的だと判断したのだ。

 U―23世代は運動量と守備力を重視して選考したうえで、永井の役割に同じ快足自慢の浅野を指名。OAでは関塚ジャパンがセンターバックのDF吉田麻也(27=サウサンプトン)とサイドバックのDF徳永悠平(32=FC東京)を起用したが、同じ位置にそれぞれ経験豊富な塩谷と藤春を招集した。会見で手倉森監督が「押し込まれて守る大会になる。後ろを万全に。チャンスは少数。日本の強みは速さだ」と語ったのは、まさに“関塚流”を踏襲しようという思いの表れだ。

 ロンドン五輪では3位決定戦で韓国に敗れてメダルにはあと一歩届かなかった。手倉森ジャパンは日本サッカー、48年ぶりのメダル獲得という悲願を果たせるか。

最終更新:7月2日(土)17時3分

東スポWeb