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西東京大会初戦で早実と激突の啓明学園・芦沢監督が語る清宮攻略法

東スポWeb 7月2日(土)17時3分配信

【クローズアップ野球人間】第98回全国高校野球選手権の地方大会が、いよいよ開幕。東京都大会は2日の開会式から激闘の火蓋が切られる。今年も注目を集めるのは、昨夏聖地を沸かせた早実の怪物・清宮幸太郎(2年)だが、その初戦(10日、八王子)の相手、啓明学園には、かつてヤクルトでマスクをかぶった元プロ監督がいることでも注目されている。1978年ヤクルトの日本一に貢献し、引退後も広島、横浜のコーチを歴任した芦沢真矢監督(58)に、高校野球の指導者になった経緯、怪物攻略法を直撃した。

 ――高校野球の指導者を目指そうと思ったきっかけは

 芦沢:昔から高校野球には興味がありまして。資格回復制度ができたのでいち早く回復して、どこか誘われたらやりたいなという気持ちでいました。(それまでは)ちょっとハードルが高かったですよね。先生の資格取ったりとか、何年たたなきゃダメだったりとか。そういうのが緩和されて現実味を帯びてきたというので、本当にやりたいと思うようになりましたね。

 ――引退後はコーチとして国内球団、台湾リーグ、独立リーグと渡り歩いた

 芦沢:すごい経歴でしょ、履歴書を書いたら全部埋まりますから(笑い)。広島に行ってコーチ補佐から勉強させてもらって、ヤクルトとは違う環境を目の当たりにした。たぶんヤクルトだけで終わってたら監督としても器の小さいものになってたんだろうな。一番印象に残っているのは(横浜コーチ時代の)三浦。あれはよく練習してました。一番年上でしたけどね、早く出てきて走ったり居残りしたり。やっぱりな、残ってる選手ってのはこうやって努力してるんだなと。そういう話は子供たちにもしますよ。あんだけ有名なピッチャーが一番早く出てきて練習してるんだぞと。目の色が変わります。いきなり素質だけでプロ野球選手になったと思ってる子もいるんで。

 ――啓明学園以前は強豪・日本航空。環境の違いに戸惑いは

 芦沢:はっきり言ってゼロからのスタート、環境は全然違いますよね。活気も違うし、野球に取り組む姿勢も違う。向こうは強豪校、こっちは同好会みたいなものでしたから。でも基本的に子供に接するスタンスは変えない。高校生ですから、できないことを前提に考えて接しないと。それから練習に出てくる場所の環境、人間的な環境を整えてあげる。とにかく放課後、このグラウンドに向かう足が軽いものでなければというのが僕の考え。

 ――部員集めにも奔走した

 芦沢:僕が入ったときが8人。今の2年生が入ってきて11人で、ようやく大会に出られるようになった。でも、競争がないのでサボってたってレギュラー。その環境はまず変えないとと思いました。中学校を回って、クラブチームも回って、1チームにつき3回くらい顔を出してた。実績のない高校、そのなかで集まってくれた1年生14人は本当に貴重です。今では24人で、紅白戦ができる。ケースノックができる。14人が入ってくれて、その後輩たちがまた興味を持ってくれる。そうやって少しずつ増やしていくしかないですね。

 ――高校野球の現場で新たに気づかされたことは

 芦沢:就任してから最近までは芯で打つことを覚えさせようと手袋をさせてなかった。でも、夏って手汗で滑るじゃないですか。方針を変えるのは好きじゃないんですが、最後の大会で滑って実力を出せなかったら、それは僕のエゴじゃないですか。(変えたのは)その一点ですかね。

 ――プロの経験や技術で指導に生きていることは

 芦沢:「心はプロであれ」が僕のモットー。勝つと選手は喜びますよね。アマチュアはいつまででも喜ぶ。プロはひとしきり喜んだらすぐにスイッチを切り替える。それから、アマチュアは努力してる姿をアピールするけど、ひたすら結果に向かって努力するのがプロ。失敗して代えられることにおびえたりするのもおかしな話で、次にどうするかじゃないですか。結果を恐れず、それでいて結果にこだわるような選手に育ってほしい。

 ――目指すはやはり甲子園か

 芦沢:その前に、(西東京大会準々決勝からの)神宮へ行かないと。神宮へ行くだけでも相当な練習量と人材を集めないと行けないですから。「甲子園目指します」なんて今はまだ言えない。まずは神宮出場が目標ですね。

 ――初戦は清宮を擁する早実とぶつかる

 芦沢:抽選会の日は練習試合をやってたんですよ。今伝えたらこの試合がめちゃくちゃになるなと終わるまでは黙っていた。観客の多さ、メディアの多さもこの子たちにとって相当なプレッシャーで、おまけに相手は強豪校。でも、願ってもない相手。練習試合なんか申し込めない相手なんで、ありがたいです。

 ――敬遠など、清宮への対策は

 芦沢:真っ向勝負です。このチームで今できることは全力でぶつかっていくことだけ。相手の100の力に対し、50、60しかない戦力をいかに出し切れるか。負けるの前提みたいには書かないでくださいよ(笑い)。

 ☆あしざわ・しんや 本名は芦沢優(まさる)。1958年1月1日生まれ、山梨県若草町(現南アルプス市)出身。巨摩高では3年夏に4番捕手で甲子園出場。75年のドラフト5位でヤクルトに入団。88年の引退まで通算280試合で打率2割8厘、5本塁打。91年から広島、98年から台湾リーグ台中金剛でコーチを歴任。2005年に四国IL香川の監督に就任すると翌06年に初優勝。07年BCリーグ石川の運営部長を経て、08年からはBCリーグ新潟で監督。11年、横浜に一軍ブルペンコーチとしてNPB復帰。14年、日本航空高(山梨)に臨時コーチとして就任。昨年から啓明学園監督。178センチ、79キロ。右投げ右打ち。

 【啓明学園メモ】東京・昭島市に所在する中高一貫の私立高校。野球部は今春の春季東京都大会では1次予選1回戦で都立産技高専に3―4で敗退、昨秋の秋季東京都大会では1―11で都立南平に1回戦敗退、昨夏の西東京大会では都立小平に0―9で1回戦敗退と公式戦では1年間未勝利。昨春以前は部員数が足りず公式戦出場がなかった。2013年夏以来の1勝を目指す。

最終更新:7月2日(土)17時3分

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