ここから本文です

いすゞの「新興国車種」は収益を押し上げるか。“鬼門”のインドは未知数

ニュースイッチ 7月2日(土)9時15分配信

「挑戦なくして成長なし」(片山社長)

  新興国でも人気車種いすゞのトラックは、特にタイ国内でのピックアップトラックのシェアは約5割と圧倒的に高い。技術力にも定評があり、故障の少ないディーゼルエンジンの製造は、大型車から小型車までを国内のマザー工場である藤沢工場を主体に生産する。海外向けは主力のタイ工場でピックアップトラック生産を手がける。国内の普通トラックでは日野自動車とシェアトップを争っているが、小型トラックに限れば首位の約4割のシェアを握る。

 昨春就任した新社長のもと、2018年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を発表した。数値目標は販売面で18年3月期にCV商用車38万台(15年3月期は33万台)、LCV小型商用車は44万台(同34万台)。売上高2兆2000億―2兆3000億円(同1兆8794億円)、営業利益率は3カ年平均9%(同9・1%)、株主資本利益率(ROE)は3カ年平均で12%(同17・0%)、配当と自己株式の取得合計した総還元性向は、20―30%を目標としている。

 18年春までに、開発から部材調達、生産まですべてについて、タイ拠点が主導する初の新興国が開発した事業モデル(耐久性を維持しながらコスト削減を進めた)による中型トラックを東南アジア向けに本格投入する。

 中国を除くアジアの商用車販売台数は15年3月期比37%増の8万2000台に引き上げる計画で、日本の販売台数を上回る規模となるもよう。同時に統合的な営業支援システムとしてデータを生かしたワンストップ営業体制(新車から部品、修理、中古車、販売金融まで)での稼働サポート強化を展開し、補修や部品・サービスなどの効率化を実施する。

 前期決算は従来予想は1200億円で最高益更新を見込んでいたが一転、2%減の1146億円となった。国内は大型トラックの出荷が堅調だったが円高で為替差益が減り、固定資産の処分に伴う特別損失も影響した。今期は前期並み。

 ただ、為替の影響を除けば売上高は若干のプラスで計画しているほか、インドでピックアップトラックの生産開始などは未知数とし慎重な目標数字である。
<文=清水秀和(証券アナリスト兼IMSアセットマネジメント社長)>

1/2ページ

最終更新:7月2日(土)9時15分

ニュースイッチ