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「競馬の借金返そうと…」 窃盗の横浜地検元事務官の初公判

カナロコ by 神奈川新聞 7月2日(土)8時30分配信

 「昔から唯一の趣味で、競馬やゲームから抜け出せなかった」。横浜地検の庁舎内で証拠品の現金300万円を盗んだとして、窃盗罪に問われた元検察事務官の男(26)。横浜地裁の初公判で起訴内容を認め、「破廉恥な行為」(検察官)に及んだ経緯を涙ながらに語った。

 犯行前、ギャンブルなどで被告が負った借金は270万円余りに膨らんだ。今春には妻が出産を控え、「借金を返済して今後の見通しを立てたかった」。

 起訴状によると2月3日ごろ、地検庁舎内で現金が入っていた二つの封筒から300万円を窃取したという被告。「全額盗むと毎月の確認でばれる」ことを承知しており、トイレで一部を残して抜き取り、封筒を再びのり付けして元の倉庫内に戻した。

 ただ、検査がある4月には発覚すると自覚もしていた。それまでにギャンブルで勝って借金を返済し、現金も倉庫内に戻そうと考えたが、100万円以上をつぎ込んだ競馬で負け、メダルゲームにも消費。「自分の愚かさ、心の弱さがあった」。借金は5万円を返済しただけで、地検に逮捕され懲戒免職となった。

 法律を扱える仕事として、検察事務官を目指したという被告。「社会正義を実現する気持ちはなかったか」とただされると、うなだれるしかなかった。

 検察側はかつての同僚の犯行を「国民の信頼を裏切る行為」と非難し、懲役3年6月を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は14日。

最終更新:7月2日(土)8時30分

カナロコ by 神奈川新聞