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改憲の賛否さまざま 参院選有権者アンケート(下)

紀伊民報 7月2日(土)16時46分配信

 参院選が公示され、紀伊民報(和歌山県)は注目される争点について有権者100人にアンケートした。「憲法9条改正」の賛否と「安倍政権の経済政策」の評価については「どちらでもない」とする回答が多く、「消費税増税の再延期」は評価が多いものの、判断に迷う回答が目立った。

 「憲法9条改正」の賛否について賛成は20人で、反対は2倍の40人だったが、「どちらでもない」も同数だった。

 憲法9条は「戦争放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」の平和主義に関する規定を定めた条文。改憲派は「日本国民や同盟国を守ることができない」、護憲派は「国民が他国の戦争に巻き込まれる恐れがある」と主張する。

 改憲に賛成する田辺市上の山の飲食業女性(46)は「自国の防衛に不安。中国や北朝鮮の状況も変わってきている」。同市文里の自営業男性(77)は「憲法改正に反対している勢力が自衛隊を認めているのは矛盾している。立憲主義のために改正は必要」と理由を述べる。

 反対の人たちは戦争への進展を心配する。白浜町日置の主婦(59)は「息子や孫が戦地に行くことになるかもしれない。先の戦争の犠牲者が報われない」。田辺市南新万の自営業男性(47)も「同じ過ちを繰り返しそうで危機を感じる」と訴える。

 「どちらでもない」とした田辺市長野の男性(63)は「反対ばかりでは前に進まない。まずは議論が大事」。賛否を避け「米国に守ってもらうばかりでは都合が良過ぎる」(田辺市上秋津の45歳女性店員)という意見もあった。

 「安倍政権の経済政策」について評価したのは25人、評価しなかったのは29人とあまり差はなかったが、「どちらでもない」としたのは46人で半数近くを占めた。

 経済政策「アベノミクス」は「財政出動」「金融緩和」「成長戦略」の「3本の矢」で、長期のデフレを脱却し、経済成長を目指す。政権与党は「雇用が増え、企業の業績も改善している」と主張。これに対し野党側は「利益を上げているのは大企業。非正規雇用が増え、格差が拡大している」と批判する。

 田辺市芳養松原の団体職員男性(39)は「地方に波及している実感はないが、雇用が上向いているのは感じる」と評価する。

 評価しないと答えた人のほとんどは、景気の良さを実感できないことを理由に挙げる。上富田町市ノ瀬の農業男性(65)は「中小企業や第1次産業など国民一人一人に寄り添わない政策」。

 同じ実感がなくても「どちらともいえない」と答えた人は多かった。上富田町岩田の団体職員男性(60)は「言うほど景気が回復していると思わないが、現時点で判断するのは難しい」という。

 消費税を8%から10%にする時期を安倍政権は景気の低迷を理由に再び延期することを決めた。

 アンケートで再延期を評価したのは47人で、評価しなかったのは半数以下の20人。「分からない」は33人だった。

 白浜町の女性(68)は「今の経済状況からすれば先延ばしした方がよい」と評価。一方、串本町串本の30代サービス業男性は「これからの社会保障充実に増税は必要。国際社会から信用を失うことにもつながる」と批判的。「選挙目当てとしか思えない」(田辺市龍神村の68歳女性)という意見もあった。

 「どちらでもない」とした人たちは「景気回復や個人消費につながるかもしれないが、社会保障の財源をどうするのか。若い世代への負担の先送りになる」(田辺市新庄町の28歳団体職員男性)などと答えた。



 アンケートは公示の6月22日から27日まで、紀南に在住する18歳以上の有権者に記者が街頭などで聞き取りした。

最終更新:7月2日(土)16時46分

紀伊民報