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富裕層の教育マインド 子には財産ではなく「◯◯する力」を残す

ZUU online 7/3(日) 9:40配信

自分が億万長者の家庭に生まれていたら、一生お金に困らずにすむだろうと一度は考えるかもしれないが、現実はそうでもなさそうだ。マイクロソフトのビル・ゲイツ氏や著名投資家のウォーレン・バフェット氏は、ともに資産の大半を寄付することを明言している。彼らはなぜ、莫大な資産を子どもたちに残さないのだろうか。

■富裕層は教育を重視 先行投資で「自活する力」を残す

『大富豪が実践しているお金の哲学』(冨田和成著、クロスメディア・パブリッシング)によると、大富豪は自分の後を継ぐ、継がないに関係なく、子どもには自活する力を身につけてほしいと、強く望んでいるそうだ。ビジネスの世界で自立するには、高い語学力と様々な教養、ネットワークが必要不可欠である。そのため、富裕層は教育環境を重視し、お金に糸目はつけない。

たとえば、著名な投資家であるジム・ロジャース氏は2人の娘のために、シンガポールに移住した。中国が台頭する世界経済を見据え、英語圏と中華圏の言語・文化を吸収する環境に価値を見出したからだ。ロジャース氏のケースは家族全員で移住したが、子どもだけを海外に留学させるケースが多い。その留学の選択肢の中でも人気なのが、全寮制・寄宿学校であるボーディングスクールがだ。

■年間1300万円以上の授業料を支払うスクールも

欧米各地のボーディングスクールで、根強い人気を誇るのが英国。古くから王族や貴族の子弟たちの教育の場として発展してきた経緯があり、いまなお政財界のトップはボーディングスクール出身者が多い。日本の富裕層には欧米のボーディングスクールが人気だが、欧米の富裕層はアジアのボーディングスクールにシフトする動きも見せている。

とはいえ、その学費は決して安くはない。たとえば、スイスのル・ロゼ学院は、世界中の王族や富裕層から支持を集める世界屈指の名門だ。その授業料は年間約1300万円以上にものぼる。

米国大統領選挙の共和党候補であるドナルド・トランプ氏もニューヨーク・ミリタリー・アカデミーの出身で、同校の学費は日本円換算にして年間約400万円以上。また、英国王室のウィリアム王子やヘンリー王子など王族関係者が通った中高一貫校の男子校イートンは、授業料は年間500万円かかる。今回辞意を表明した英国キャメロン首相もイートン出身だ。欧米で人気を集めるボーディングスクールは、米、英、仏、スイス、カナダなどで年間400万-600万円前後の授業料がかかる。

■欧米の名門はアジアにシフト 人気はシンガポールとマレーシア

アジアでも欧米の名門ボーディングスクールの分校が、次々と開校している。国際標準の教育プログラムである国際バカロレア(IB)認定校も多い。中でも人気が高まっているのが、シンガポールとマレーシアだ。

英国キャサリン妃の母校として名高いマルボロカレッジは、マレーシア第2の都市ジョホールバルに分校を設立。すでにアジアの潜在性に目を付けた富裕層や貴族の子女が多く在籍しているという。アジアでのボーディングスクール熱の高まりは日本にも及び、軽井沢を拠点とする全寮制の国際高等学校「International School of Asia Karuizawa (ISAK) 」にも注目が集まっている。同校の学費は入学金を除いて年間約400万円と欧米のボーディングスクールと比較すると、やや割安感はあるものの、国内の私立の高等学校と比較すると、費用の差は歴然だ。

■エリートを輩出するカリキュラム 注目は外国語教育

世界のエリートを輩出してきたボーディングスクールのカリキュラムは気になるところだ。

たとえば、カナダのアップルビー・カレッジは文武両道を実践し、NHL(National Hockey League)選手としても活躍するサム・ギャグナー選手などを輩出している。また、英国のアンプルフォース・カレッジでは、学校の創設の歴史的背景から、カトリックの修道士による運営がなされており、カリキュラムにも宗教や精神を重視した教育が取り込まれている。

カリキュラムの中で特に注目したいのが外国語教育だ。英国のボーディングスクールの場合、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語を外国語として学ぶが、前述のマルボロカレッジ・マレーシア校では、第1外国語として中国語を教えるのが特徴だ。担当教師は、中国本土から選び抜かれた人材が行う力の入れようだ。さらに、マレー語などのアジア言語に加え、スペイン語なども外国語として学ぶことができる。

■富裕層は「自分で資産を生み出す力」を残す

自分で考える力・動かす力がなければ、いくら財産を残してもあぶく銭で終わってしまう。教育という先行投資をすることで、子どもたちが自立する下地を作るというのが富裕層の考えだ。グローバルなネットワークを構築し、世界のビジネスの場で活躍できる資質を鍛え上げるのだ。彼らほどの先行投資はできずとも、20年後、30年後の子ども達に残せるものを改めて考えてみてはいかがだろうか。 (ZUU online編集部)

最終更新:7/3(日) 9:40

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