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消費者の8割がロボアドに興味があるが対面も重視 米国・カナダ

ZUU online 7月3日(日)16時40分配信

米国とカナダの消費者4000人のうち8割が、ロボットアドバイザーに興味を示していることが、アクセンチュアの調査から明らかになった。

しかしその一方で、8割以上が支店での人間のアドバイザーや従業員による対面サービスを期待しているなど、現代の消費者がいかに実用主義であるかが浮き彫りになっている。

銀行は常に顧客の声に耳を傾け、迅速に対応することが求められる時代だが、デジタル化、マニュアル化に惑わされることなく、サービスのバランスをうまくとることが成功の決め手となりそうだ。

■「ロボアドはFAから仕事を奪う」ではなく「減らす」?

ウェルス・マネージメント産業にすでに大きな恩恵をもたらしているロボアド。投資家は最高70%コストを抑えることが可能だともいわれている。

米投資分析会社セルーリ・アソシエイツによると、ロボアド市場は2020年までに5000億ドル(約51兆2550億円)に達する見込みだ。

今回のサーベイでは46%が「バンキングにロボアドを利用したい」と回答しているほか、79%がロボアドから「投資アドバイス」、74%が「最適な銀行口座の選択」、69%が「定年退職後の生活設計」についてのアドバイスを、ロボットアドバイザーに求めている。

特にテクノロジーとともに生まれ育ったミレニアル世代からの関心が高く、80%以上が3つの項目すべてに関心をよせている。

ロボアドを利用する最大のメリットとしては、50%が「手軽さと速度」、29%が「低コスト」を挙げている。

それでは銀行がロボアドさえ採用すれば顧客は満足するのか--というと、そこはまた話が別物のようだ。

今回のサーベイを含む多くの調査から、消費者はロボアドを「既存サービスの一部」と見なし、人間のファイナンシャル・アドバイザーとは切り離してとらえる傾向が強いことが判明している。

しかしこれだけで、近年世間を騒がせている「ロボアドが人間のFAから仕事を奪う」懸念が、ゼロまで薄まるわけではない。

従来は人間のFAが行っていた業務の一部(小口投資など)がロボアドに引き継がれるのだから、業務量が減るのは間違いないだろう。したがって「ロボアドが人間のFAの仕事を減らす」というほうが、より正確な表現なのかも知れない。

■消費者はテクノロジーと人間の共存を選んでいる

こうした「別物」はロボアドだけではなく、デジタルサービス全般に該当するだろう。

銀行の存続は顧客の満足度にかかっているといっても過言ではない近年、オンライン・バンキングやロボアドも含め急速にデジタル化が進んでいる。

こうした動きはすべて、「利便性」や「低コスト」を求める消費者からの需要に応えるものだが、今回のサーベイではミレニアル世代以上の61%が「オンラインなどより、すべてのサービスを一括して受けれる従来の支店がよい」と回答。

しかしここでいう支店とは、「営業時間外でも利用できる」「住宅ローンなどの専門家に相談できる」といった、顧客へのサービス満点の支店を指すようだ。

従来の支店へのミレニアル世代の愛着は半数以下(49%)だが、19%は「高度なデジタルサービスを備えた簡易支店」を求めている。

注目すべきは、すべての世代を通して87%が「今後2年以内に支店を利用する予定」であり、支店を「消費者と銀行が関わりあう場所」と見なしている点だ。

これらの消費者の49%は「支店で従業員と会話をしながら直接取引をした時の方が、銀行に対する信頼感が強まる」、47%は「大切な顧客として扱ってもらえる」と感じている。そのほか「勤務先や自宅付近に支店がある(37%)」といった立地条件も、重視されるようだ。

大手銀行がデジタル化に向け大量の人員削減を実施している反面、消費者は無意識のうちにテクノロジーと人間の共存を選択している。

いずれにせよ、顧客にとっては「消費者の我がままを絶妙のバランスで聞きいれてくれる銀行」が、理想の銀行であることは間違いなさそうだ。(FinTech online編集部)

最終更新:7月3日(日)16時40分

ZUU online