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「目がキレイな選手を育てたい」掛布雅之の思い

東スポWeb 7月3日(日)16時36分配信

【越智正典「ネット裏」】新潟県三条市でのウエスタン・リーグ、阪神―ソフトバンク13回戦の朝、阪神の練習が始まると、ファームチーフ兼守備走塁コーチ古屋英夫が土ならしのトンボを天びん棒のようにかついで疾走した。打撃練習の間をぬって打ち込まれるノックに備えるためだった。ふつうは歩いて行く。トンボは柄が長い。が、古屋は走った。気合が入っている。

 一塁線外ではバッテリーコーチ山田勝彦がドラ2の新人、明大、捕手坂本誠志郎と、入団3年目の捕手梅野隆太郎にショートバウンドを叩きつけていた。かつて西武の強力時代を作った管理部長兼監督根本陸夫はアメリカへ選手教育派遣を決めると、捕手に1か月前からこの捕球練習を強行した。捕手に後逸が多いと、試合にならない。現西武コーチ、秋元宏作はこの訓練を超えて来た…。

 守備走塁コーチ、平野恵一の大きな声が響く。越後は快晴。土が乾く。ファームディレクター宮脇則昭がさっと散水。スタッフが心を合わせている。

 新二軍監督掛布雅之は打撃練習ケージのうしろに立っている。ノックバットを握りしめていない。一般に監督がバットを持っていると勇ましく見えるが、むしろ監督の不安の表れだとも言える。掛布はそうではない。選手に微笑が咲く。打ちに来た緒方凌介は監督の顔を見てニコッ。打撃コーチ、PL学園、東洋大、遊撃手、アトランタ五輪全日本の今岡誠がひょいと、「掛布監督は選手をしばらないんですよ」。投手、近大付属高、2005年度高校ドラフト1巡目で入団の鶴直人が「監督の愛情がみんなに迫ってくるんです」。

 ソフトバンクが入場した。圧倒的で多彩なチーム編成に驚かされた。この日の先発は開幕戦に投げた摂津正と発表された。試合開始。阪神0対1の3回表、ソフトバンク4番DH、B・カニザレスが右中間に2点弾。ベンチの掛布はび動だにしない。0対3。チェンジになると折りたたみ椅子から立ち上がり、一番前に出た。さあー、いこうなどと発声しない。

 それは反撃しようという無言のボディーランゲージだった。試合前、掛布は抱負をこう語っていた。

「目がキレイな選手を育てたいです」。そういえばこの日、試合前のサイン会に出席。9回、抑え体験登板の背番号「92」、東京国際大の弾丸球、伊藤和雄はいい目をしていた。現DeNA巡回投手コーチ、浅野啓司が同大コーチ時代に慈しんで来た。

 試合は0対5。14年、第96回の夏の甲子園大会に出場した滋賀県彦根の近江高校の俊足、積極打の遊撃手、入団2年目の植田海がポツンというのであった。

「掛布監督は器が大きいですよ」

 比叡山高校の野球部長、県高野連常任理事の岸隆雄は滋賀の野球人は多くを語らないというが、掛布を一言で活写した20歳の若者の目も澄んでいた。=敬称略=(スポーツジャーナリスト)

最終更新:7月3日(日)16時36分

東スポWeb

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