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「ウィンドウズ10」恐るべきアップデートの誘いは利用者軽視

ニュースイッチ 7月3日(日)8時13分配信

不具合の報告が相次ぐ。マイクロソフトは真摯な姿勢で

 「ウィンドウズ10」への更新が問題になっている。ウィンドウズとはパソコンを動かすための「基本ソフト」(OS)。マイクロソフトのソフトとして「10」は最新版だ。このソフトをめぐり、ユーザーが意図しないままに自動更新されてしまうというトラブルが発生している。

 ネットなどには「ウィンドウズ10が勝手にアップデートされ、不具合が発生した」という報告が相次いでいる。それにより未対応の「設定が消えた」「周辺機器が起動しない」という声もある。

 「恐るべきアップデートの誘い。キャンセルしないと自動で更新されてしまう」「自動アップグレードスケジュールの通知がさらに“凶悪化”してウィンドウズ・アップデートと一体化。キャンセル方法はコレだ」と、自己防衛を呼びかける動きも少なくない。

 現在、広く利用されているウィンドウズ「7」や「8」が利用者の気が付かないうちに、マイクロソフトによる“誘導”で希望していない「10」に書き換わるケースが多発している。

 本来、OSはパソコン購入時に付属してくるものであり、利用の途中で書き換えることはほとんどない。書き換えるということは、パソコンの「基本」を変更することだから利用者の望まない変更も生じかねない。例えば、パソコンの操作画面が変わるため、操作方法を覚えなおさなければならない。このほか、さまざまな影響が出るため、よほどの必要がない限り、OSは変えたくない。

 利用者からの苦情が多発しているのを受け、消費者庁は22日、「ウィンドウズ10への無償アップグレードに関し、確認・留意が必要な事項について」と題した文書をウェブに掲載し、注意を喚起している。同庁が製品のリコール(回収・無償修理)などを除き、個別企業の商品・サービスに関して注意を促すのは異例だ。

 マイクロソフトは「書き換えは利用者の意思により決定できる」と主張している。だが、現実には意思に反した書き換えが自動で行われる「事故」が多発していることを考慮すれば、その主張は受け入れ難い。

 実際、筆者もそうした書き換えに遭遇。注意深く画面を観察したが、防ぐことはできなかった。断っておくが、筆者はウィンドウズ10の価値を否定するものではない。書き換えの方法における問題点を指摘しているのである。

 このようなことが発生するのは、OSの提供が1社独占で、「マイクロソフト帝国」と揶揄される状態となっているためであろう。「帝国」と言われないためには、利用者の不満に真摯(しんし)に耳を傾けるべきだと考えるのは筆者だけだろうか?

大江修造(日本開発工学会会長=東京理科大学元教授)

最終更新:7月3日(日)8時13分

ニュースイッチ