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イギリスだけではなかった 千代田区も東京23区からの離脱を画策

THE PAGE 7月4日(月)17時0分配信

 6月23日にイギリスで実施されたEUからの離脱を問う国民投票は、“離脱”が過半数を占めました。イギリスがEUから離脱を選択したことは全世界に衝撃を与え、日本でも大きく報道されています。「イギリスのEU離脱」ほど、ワールドワイドな話ではありませんが、似たような話が東京23区にもあります。それが、“千代田市構想”です。

 東京の中心部に位置する千代田区は、皇居・首相官邸・国会議事堂・東京駅などが立地し、日本の中枢ともいえます。日本の中枢である千代田区が、東京23区という既成の枠組みから独立するかのような“千代田市宣言”をしたのは2001(平成13)年でした。千代田区が市になりたいと主張した背景には、どんな事情があったのでしょうか?

 そして、“千代田市構想”の今はどうなっているのでしょうか?

特別区は“半人前”の自治体

 東京都には、千代田区・港区・新宿区・渋谷区・世田谷区・品川区・足立区・葛飾区といったように23の特別区があります。神奈川県横浜市や愛知県名古屋市、大阪府大阪市、福岡県福岡市などにも区はありますが、これらは「行政区」と呼ばれるものです。対して、東京の23区は「特別区」と呼ばれます。

 行政区と特別区の大きな違いは、行政区が政令指定都市の区割りでしかないのに対して、特別区は独立した自治体です。特別区は東京にしかない自治体のため、“都会”のイメージがついてまわりますが、実は同じ基礎的自治体の市町村よりも持っている権限や財源は小さく、自治権は制限されています。そのために市町村と比べて、特別区は“半人前”の自治体として扱われることもあります。その象徴ともいえるのが、東京23特別区にだけ存在する都区財政調整制度というシステムです。

特別区にだけ存在する都区財政調整制度

 本来、法人住民税・固定資産税・特別土地保有税の3税は市町村の財源になります。23区の場合、3税は東京都がいったん徴収して45%を取り、残り55%を23区で配分しているのです。残りの55%の配分は、財政力によって配分額が決められています。

 3税の総額が約3328億円の千代田区は、都区財政調整制度によって67億円しか配分されていません(金額は2013年度の決算額)。千代田区が市になると、3税はまるまる自分たちの財源になるのです。

「住民自治の観点からすると、税金は負担した納税者のために使われるのが本来の姿。しかし、都区財政調整制度によって、それができていないのが現状です。」と千代田区政策経営部企画調整課は説明します。
「都区財政調整制度が是正されれば、千代田区は待機児童解消のための保育所整備や高齢者福祉といった住民サービスを充実させることができます。税の負担者に還元できるわけです。」(同)

 千代田区は3税の3328億円すべてを自主財源にしたいと主張しているわけではありません。千代田区の人口は5万7000人と少なくても、企業が多く立地していることもあり、昼間人口は80万人にもなります。
 区内に勤務するビジネスマンや、買い物に訪れる人たちのために歩道や公園の整備に取り組まなければなりません。そのほかにも、公衆トイレの清掃や駐車場の確保なども必要です。
「そのためにも、もう少し特別区に権限と財源を与えてもらいたいというのが“千代田市構想”の趣旨なのです。」(同)

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最終更新:7月4日(月)17時0分

THE PAGE