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“先生”は8歳年下? アプリ「メルカリ アッテ」でアラサー女子が大学生に会ってみた

ITmedia Mobile 7月4日(月)6時10分配信

 「出品が簡単」「気に入ったらすぐに購入できる」「正規で買うより安価」などの理由で、フリマアプリを使う人が増えている。

【フリマアプリで売ってた超ハイテクなドローン(1万円)】

 特に有名なのは「メルカリ」だが、そのメルカリの関連会社であるソウゾウが作った「メルカリ アッテ」(以下、アッテ)という地域コミュニティーアプリはご存じだろうか。

 メルカリとは違い、アッテは相手と直接会って取引することが基本だ。アプリは手数料なし&完全無料で利用でき、場合によっては「処分するとお金がかかるから」という理由で、タダで家具などを譲ってもらえることもある。

 通常の「売ります」「あげます」などの出品に加え、「フットサルメンバー募集」や、「プログラミング教えます」「引っ越し手伝います」という経験や時間を売るような出品など、アッテにはメルカリ本体にはない出品が数多く存在する。

 中にはスクールに通うよりはるかに安く勉強を教えてもらえたり、勉強に必要なテキストを破格で購入できたりする出品もあり、資格の勉強などに重宝している人もいるようだ。筆者もその中の一人で、現在アッテを経由して英語のレッスンをしてもらっている。

 今回は、アッテで8歳年下の男子大学生(MARCH大学に通っているので以下、MARCH君と略す)に英語を教えてもらった話を紹介する。

●とにかく楽に、安く英語を教えてもらいたい!

 アッテのアプリ自体は周りのIT企業の友人を通して存在を知った筆者。いざアプリを眺めていると「家具を無料で差し上げます」「ベビーカー1000円」「渋谷の自宅を3000円で貸します」など、破格ともいえる安い取引が多いことに驚いた。

 「検索」から「教えます」のジャンルでズラッと見ていると、隣町に「英語を教えます」と出品している人がいた。

【実際の出品内容はこんな感じ】
・家庭教師 英語(その他、科目相談)
・〇〇大学1年生 〇〇学部
・TOEIC 〇〇点以上
・英検 準1級
・短期間ですが、近所の学生さんに家庭教師した経験があります
・値段:1時間2000円~(+交通費)

 もともと筆者は、英語を教えてくれる人を探していたのだが、スクールに通えるほどの金銭的な余裕がなかった。

 値段を見てみると、出品者は1時間2000円で教えてくれるとのこと。安い。安すぎる。アッテのプロフィール情報によるとMARCH大に通う英語が得意な大学1年生のようだ。交通費は落札者持ちらしい。

 「隣町だし、このへんであれば、〇〇駅周辺のファミリーレストランで授業してくれるかも」と淡い期待を持って「応募」のボタンを押してみた。

●応募後にメッセージがくる

 「応募」のボタンを押すと3時間後ぐらいに、出品者からメールがきた。メッセージは「○○(名前)です。年齢は△△で、そちらのお名前とご年齢を聞いてもよろしいでしょうか?」と丁寧な連絡がきた。同じように年齢と名前(筆者は社会人だったためその旨も記載)を送って、スケジュールを調整した。

 少し迷ったのが待ち合わせ場所だ。筆者はネットを通して、紹介者もなく、人に会うのが初めてだったため、うれしさ半分、恐怖半分のような気持ちだった。しかも、アプリ上で相手が本当のことを言っているのか、こちらに確かめる術がないため、出品者である相手を信頼するしかない。

 落ち着いたカフェがいいのか、それとも長居することを前提にレンタルできる自習室などがいいのか、いろいろな候補を探したが、めぼしい場所がなく、結局ファミレスの店の前で待ち合わせすることに。

 ちなみに、筆者は26歳なので相手が大学1年生で18歳ということは、8歳年下を「先生」と呼ぶことになる。なんとも不思議な気持ちになったまま、当日がきた。

 当日は土日で、子供が多い土地柄もあり、ファミレスの店の前に親子連れが多くいた。「白い服着てます?」などのやりとりを行い、出品者であるMARCH君と出会う。

・筆者:「こんにちはー、鈴木です」
・出品者のMARCH君:「こんにちは、○○(名前)です」

●実際の英語の授業

 最初は、MARCH君と「大学では何を勉強しているんですか?」など軽く雑談。MARCH君は4月に上京したばかりで、高校のときの勉強法や普段やっているアルバイトのことを教えてもらった。

 フリードリンク付きで英語の授業が始まるのだが、授業を始める前にMARCH君は大学の学生証を見せてくれた。筆者は疑うことをこれっぽっちも知らなかったが、こういう学生証などをあらかじめ相手に見せてくれると安心できる面はある。MARCH君は過去に家庭教師の経験もしているので、こういう場でのやりとりは心得ているのだろう。当日のルールやマナーも、アッテでは出品者側に全て任されている。

 授業は、英語レベルの確認→文法問題→模試演習のような形で1時間教えてもらった。筆者が単語帳を出して「こういう参考書で勉強してます」と言ったらMARCH君に「問題を解きながらやったほうがいいですよ」とアドバイスをいただく。「問題進めながら単語も覚えていけるので、問題をこなしましょう」と、模試問題を教えてもらいながらやった。MARCH君の発音がもう日本人じゃない(ネイティブな英語)ことにも驚いたが、教え方もうまかった。

 筆者は自身の単語力のなさに絶望していたので、単語の暗記と文法学習だけで、模試問題には手を出していなかった。人にもよるが、この勉強法はあまり効率がよくないようで、このMARCH君の英語の授業をきっかけにどんどん問題を解いていくスタイルに変更することにした。

●MARCH君がアッテを使っている理由

 授業が終わって、MARCH君が少しだけ取材に応えてくれることになった。話を聞いたところ、MARCH君はもともとメルカリ本体のユーザーで、メルカリ内に出されていた広告(アッテに登録するとメルカリのポイントがプレゼントされるというもの)を経由してアッテに登録したという。

 「もともとはずっとメルカリを使っていました。DJセットやドローンなど、秋葉原まで見に行かないと買えないものもメルカリで売っているので、よく使っています。あと、大学進学と同時に上京して、アルバイトしないと金銭的に余裕がないので、家具などはアッテを通じてもらいましたね」(MARCH君)

 コンビニのアルバイトと掛け持ちしながら、アッテなどを使い家庭教師をしているMARCH君。一人暮らしのため「お金がない」と「自炊が面倒くさい」が悩みだそうで、ダンスやアニメ観賞、ドローン活用という多彩な趣味をお持ちでした。

 音楽好きということもあり、メルカリでは「DJセット」を購入するなど、メルカリでもアクティブに取引しているとのこと。

●筆者が感じた「アッテ」の魅力と課題

 使ってみて分かったのは、アッテは利用者にあらゆる判断を任せているということだ。今回英語を教えてくれたMARCH君は、英語を教えてくれた当日に、身分証で自分のことを証明してくれたり、前もってプロフィールに詳細を書き込んだりしてくれていたが、会うときのマナーは利用者同士に任されている。

 今回のように良い人に当たればアッテで取引をしても後悔はないが、満足しなかったときのアフターケアなどは用意されていないため、勉強を教えてもらう際に学習効果や授業精度に保険をかけておきたいような人にはあまり向かないように思った。

 また、金銭や物品の受取方法は“手渡し”だけなので「実際にアプリを通して会う恐怖心」は人によって差があるように感じた。地域コミュニティーアプリとはいえ、地元の人と購入のやりとりをするのは、自宅が相手に知られたり、意図せぬ形で個人情報が使われてしまうこともあるかもしれない。ネットを介して直接会うことに嫌悪感や恐怖心が強い人は、一歩ひいてしまうのではないだろうか。このあたりは、運営側に今後のルール整備を期待したい。

 今回の筆者の場合、英語のスクールや業者が間に入るよりは、かなりお得に勉強を教えてもらうことができた。アッテは人と人の信頼性で成り立っているサービスだが、これからもアッテがどのように成長してユーザーの心をつかむのか、引き続き追っていこうと思う。

最終更新:7月4日(月)6時10分

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