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Brixitで英国債格下げ 格付とはどのような基準で行われ、活用されるのか

THE PAGE 7/7(木) 7:00配信

 英国の国民投票において欧州連合(EU)からの離脱が決まったことで、大手格付け会社が相次いで英国の国債格付けを引き下げています。そもそも格付けとは、どのような基準で行われ、市場ではどう活用されているのでしょうか。

債券の格付けとはどういうものなのか

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、英国債の格付けについて、最上位だった「AAA」から2段階引き下げ「AA」としました。続いてEUが発行する債券の格付けについて「AA+」から「AA」に1段階の引き下げを実施しています。これまでEUが発行する債券よりも英国債の方が格付けが高かったのですが、両者は同じ水準に並ぶことになります。

 債券の格付けは、大手格付け会社の1社であるムーディーズが、1900年代初頭に米国の鉄道債券の格付けを行ったことが起源といわれています。当時の米国は鉄道建設ラッシュで鉄道株はバブル的な株価となっており、各社は建設費用を調達するため多額の債券を発行していました。しかし鉄道債券に投資しようと思っても、投資家はどの債券が安全なのかよく分かりません。こうしたニーズに応えたのがムーディーズであり、その後、格付けの取得は債券発行の必須要件となっていきました。現在ではムーディーズ・インベスターズ・サービス、S&P、フィッチ・レーティングスといった会社が格付けを行っているほか、日本国内にも日本格付研究所(JCR)、格付投資情報センター(R&I)などの会社があります。

 

何もないときには厳しく、本当に危機が迫っているときには甘い評価

 基本的に債券の格付けは、債務を履行する能力があるのかという観点で行われます。国債の場合も同様で、財政状況などから債務履行能力を評価した結果ということになります。今回の引き下げは、EU離脱により経済成長率が鈍化し、税収減少によって英国とEUの財政事情が悪化する可能性が高くなったことが主な理由でしょう。

 世の中では格付け会社に対して過大なイメージを抱く人も多く、国債の格付けが引き下げられたりすると感情的な反発が起きることがあります。しかし、格付け会社はあくまで債券の債務履行能力を評価しているに過ぎず、その結果はひとつの見解としての意味しかありません。したがってプロの投資家は格付けに対して過剰反応することはありません。

 また格付けはアナリストが財務分析とヒアリングの結果を総合して行っているため、機械的に評価が出るわけではありません。このため何もないときには厳しく、本当に危機が迫っているときには甘く評価してしまう傾向が見られます。リーマンショック直前、米国のサブプライムローンを組み込んだ商品に対して、格付け会社はかなり甘い評価を下しており、これが危機を大きくする原因のひとつになったといわれています。相応のリスクのある商品に対して格付け会社が甘めの評価を出しているときには少し注意した方がよいでしょう。その点で考えると、これまで何度も日本国債の格下げを行ってきた格付け会社が、消費増税の再延期に対して引き下げを実施しなかったというのは少々気になるところです。(※フィッチ・レーティングスは見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に変更)

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:7/7(木) 7:00

THE PAGE

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