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大谷の「1番・投手」いつまで続く?

東スポWeb 7月4日(月)16時45分配信

 日本ハムの「リアル二刀流」大谷翔平投手(21)が、3日のソフトバンク戦(ヤフオク)に「1番・投手」として先発出場。漫画顔負けの10号決勝先頭打者アーチ&8回無失点10奪三振投球で、2―0の勝利に貢献した。チームは9年ぶりの10連勝をマークし、最大11・5あった首位・ソフトバンクとのゲーム差は6・5に詰まり2位に浮上。果たして周囲の度肝を抜いた大谷の「1番・投手」起用は、今後も続くのか。

 午後1時のプレーボールと同時に、たった1球で敵地・ヤフオクドームの空気が変わった。

 相手先発・中田の初球スライダーを、右中間スタンド中段へ。「1番」で起用された投手がいきなり先頭打者弾を放つのはプロ野球史上初で、大リーグでも前例のない世界初の快挙だ。球場内はどよめきと歓声の入り交じった、異様なムードに包まれた。

 大谷は「打った瞬間、行くなとは思いました。(打順は)どこでも変わらないですけど、5番とかだといつ回ってくるかは分からない。その意味では先頭で打つのはやりにくくはなかった。結果的には一番いい形だと思います」とさらり。「今日は岱さん(陽)の代わり。その中でしっかり後ろへつないでいけた。最近は四球が取れているので、上位につないでいけばあとは何とかしてくれる」と、その後の追加点にもつながった3四球にも言及。5打席で4出塁と1番打者としての仕事を果たせた満足感を語った。

 実は、陽の右ふくらはぎ痛により実現した「1番・投手」は、栗山監督が以前から温めていた構想だった。指揮官が「(大谷の1番は)ずっと考えてきたことであって突然ではない。自分が打ってしっかり自分の(準備の)時間を作った」と語るように、攻撃から始まる敵地でのDH解除は、最初の打席が決まったタイミングで確実に打席に立てる1番こそが、投球準備に与える悪影響を最小限にとどめる打順ではないかと考えていた。

 その一方で「とにかく一番いい打者を1番にというのはずっと考えていた。打順は生き物だし先入観に捉われたくなかった」と大谷や中田の1番起用を常日頃からシミュレーションしていたという。

 とはいえ、前日の練習中に大谷に「1番」でのスタメン出場を告げた栗山監督自身も「自分の置かれている立場を離れて感動したよ。『こいつすげえな!』と。ファンの人たちに野球はロマンだと思ってもらえれば幸せ」としみじみ。想定以上の結果で応えた大谷の能力に最敬礼した。

 では今後はどうなるのか。これで6週間続けた「リアル二刀流出場」は17打数7安打(打率4割1分2厘)、1本塁打、4打点で6勝0敗、防御率0・59、57奪三振(計46回)。圧巻の成績だが、切り上げ時も迫っている。

 栗山監督は「(大谷のDH解除は)ずっとはしない。やめるのは決めているから。(その時期については)いろいろな理由で伝えていない。人間はやらなきゃいけない“宿題”が難しいほど頑張れる。大変なことが起こった時にこそ頑張れる。できないことがあるから努力するんだよ。そのレベルが違うけど」と独特の言い回しで、6週連続6連戦が始まる7月最終週前まででの“リアル二刀流”凍結を示唆した。

 全ては6・5ゲーム差に近づいた大逆転Vのため。投打フル回転の裏で疲れの見えてきた大谷の消耗をセーブしながら、9月以降の本当の勝負どころで再び勝負手を繰り出す。つまり次回の「1番・大谷」は、シーズン終盤の大詰め、もしくはポストシーズン…。その恐怖は、王者ソフトバンクに十分植えつけることができたか。

最終更新:7月4日(月)16時45分

東スポWeb

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