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強制労働、密告、虐殺…“カンボジアの暗黒時代”に向き合い、生きる姿描く『シアター・プノンペン』

dmenu映画 7月4日(月)21時0分配信

東南アジアのカンボジアという国、日本ではどれくらい知られているだろうか? 最近では、お笑いタレントの猫ひろしが、男子マラソンのカンボジア代表としてリオ・オリンピックに出場、というニュースもあった。かつて作家の三島由紀夫はカンボジアの王を主人公にした戯曲「癩王のテラス」を書き、先日、その戯曲が鈴木亮平主演で再上演されて話題にもなった。そして7月2日からは岩波ホールで、カンボジアの劇映画『シアター・プノンペン』が公開される。現代のカンボジアに生きる女子大生が、ある1本の古い映画と出会ったことをきっかけに、自分が生まれる前のカンボジアの暗黒時代と、そこを生き抜いてきた父や母の過去を知り、自身のアイデンティティと家族との絆を取り戻す姿を描く。カンボジア期待の女性監督、ソト・クォーリーカーの力作だ。

1975年、かつて「東洋のパリ」とも呼ばれた首都プノンペンを占領したカンボジア共産党、クメール・ルージュは、都市の人々を地方に移動させ、集団生活と労働を強いた。劣悪な環境下での激しい労働で、国民の4分の1が命を落としたと伝えられる。また、多くの知識人が粛清され、そのなかには映画監督や俳優なども含まれていた。この映画の最後には、虐殺された映画人たちの写真が映し出され、追悼されている。

「ヒロインは1本の映画をきっかけに、自分の家族の歴史を知る過程で、カンボジアの歴史を知るわけですが、私自身もこの映画を作りながら、カンボジアの、そして私の家族の隠されていた過去を知ることができました」と語る監督自身も、クメール・ルージュ時代に父を失い、その理由を知らされないまま母親と生きてきた。これは、監督から家族への想いがつまった作品でもある。

プノンペンに暮らす女子大生のソポンは、病弱な母親を心配しながらも、軍人の父親が命じるお見合いから逃げるため、ボーイフレンドと遊び歩いていた。ある夜、迷い込んだ古い映画館で上映されていた映画に、自分とそっくりな少女を見つける。それはかつて女優だった母の主演映画であった。映画の最終巻が内戦によって失われたことを映画館の主であるソカに聞いたソポンは、映画の最後を自分たちで撮りなおせないかと考え……。

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最終更新:7月4日(月)21時0分

dmenu映画

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。