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中部部品加工協会が本格始動-中小が連携、加工や人材確保で協力体制築く

日刊工業新聞電子版 7月4日(月)10時40分配信

会員の経営力向上狙う

 中部地域の中小の機械加工会社が連携し、加工の応受援や人材確保などで協力し合うネットワークづくりに乗り出した。関連企業で構成する一般社団法人「中部部品加工協会」(名古屋市名東区、村井正輝代表理事)の活動を5日に始める。会員間の協力体制を築き、各自の経営力や技術力の向上につなげる考えだ。

 中部部品加工協会には、岐阜プロテック(岐阜県揖斐川町)、牧製作所(愛知県西尾市)、浅美工業(岐阜県美濃市)など25社(6月末時点)が加盟を決めている。加工会社のほか、経営指導や人材関連のサービス、加工油や作業着などを提供する企業も名を連ねる。また、会員に技術面の支援をするため、工作機械メーカーや工具メーカーも参加を検討している。

 協会組織は2月に設立済みだったが、7月5日に第1回総会を開催し、役員と初年度の活動方針を定めて活動を本格化する。生産余力や得意分野により、他の会員が生産を代わる応援加工や、人材の採用や育成の協力、技術力向上に向けたセミナーの開催などを通して、会員の経営をサポートしていく考えだ。

中部部品加工協会の設立を主導した村井正輝代表理事に、その狙いや今後の展開を聞いた。

―大手工具メーカーのサンドビックを退職し、協会の活動に専念したきっかけは。
 「サンドビックでアジアを中心に仕事をしていたが、2014年に日本に戻ってきた時に、中小のお客が疲弊していると感じた。中部地域に住んでいるので、中部のお客にもっと貢献できることをしたいと考えた。東京の大田区などでは中小が連携する土壌があるが、中部ではつながりが薄い。これからは技術やノウハウを共有しなければ生きていけないと思い、協会設立に動いた。コミュニケーションや情報収集の場にして、会員の経営の質を上げたい」

―どのような活動に力を入れますか。
 「中小が特に困っているのが人材の確保と育成。人が採れないので、社長が自ら機械を操作しているような状況に陥っている。採用や教育、インターンシップなどを皆でやり、製造業にスポットを当てる」

―ネットワーク化のメリットは。
 「横のつながりができれば、これまで商社などを通して外注していた仕事を、お互いに直接やりとりし、仕事の品質を上げられる。これまで断っていた仕事もできるようになる。すでに協会内のメンバーでそうした連携の実績が上がっている」

【解説 系列の枠組み越えるか注目】
大手製造業がひしめきあい、モノづくりが強固な基盤産業になっている中部地域。故に系列のしがらみも強い傾向にあり、中小の加工会社は連携の意識に乏しかった。村井代表理事は「協会内ではしがらみをなくしたい」と意気込む。系列を越えた互助の仕組みをどう築くか注目したい。(名古屋支社・江刈内雅史)

最終更新:7月4日(月)10時40分

日刊工業新聞電子版