ここから本文です

売上高9割「スマホ」体質は“スマート”過ぎた JDIがライン停止で事業構造改革を本格化

日刊工業新聞電子版 7月4日(月)16時0分配信

新事業“種まき” 骨太の成長路線へ

 ジャパンディスプレイ(JDI)が、事業構造改革を本格化している。日本の液晶パネル生産ラインの一部を停止したほか、中国に4カ所ある工場の再編にも着手。利益率の改善に向けた体制を構築しつつある。次のテーマは売上高の9割弱を占めるスマートフォン向け事業からの脱却だ。2019年3月期に非スマホ事業の生産比率を33%にする目標に向け、車載など他の市場の開拓に乗り出した。(政年佐貴恵)

 JDIはこれまで、スマホ市場の成長とともに事業を拡大してきた。しかし中国市場でのシェア低下や市場の鈍化などで、工場の稼働率が悪化。さらに中国パネルメーカーの台頭により価格競争が激しくなり、収益力は低下している。

 「スマホ市場の変動性の高さやビジネスの厳しさが身にしみた」―。本間充会長兼最高経営責任者(CEO)は事業の難しさをこう説明する。そこで利益率の改善を喫緊の課題に掲げ、事業構造改革を急いでいる。その改革の要となるのが固定費の大幅な削減だ。本間会長も「16年は事業構造改革元年」と課題解決の必要性を認める。

【国内外のライン順次停止】
 まず液晶パネル製造の前工程を手がける東浦工場(愛知県東浦町)と、茂原工場(千葉県茂原市)の旧式ラインを順次停止する。加えて中国では後工程を手がける関連会社を売却し、残る3工場も統廃合を検討する。これにより向こう3年間で、420億円のコスト削減効果を見込む。

【LTPS技術進化 車載向けシェア狙う】
 同時に「脱スマホ」に向けても動き始めた。第2の柱として狙うのが、車載向け。強みとする低温ポリシリコン(LTPS)液晶技術で「低消費電力とデザイン性を差異化要素としてシェアを取る」(有賀修二社長兼最高執行責任者)。すでに、より低消費電力で、狭額縁を実現する次世代基盤技術を開発している。これをテコに19年3月期は車載向けで1500億―2000億円の売り上げを計画する。

 第3の柱に位置付けるのが高精細ノートパソコンやタブレット端末、サイネージなどの新規領域だ。パソコンは海外メーカーからの受注が見えており「18年3月期には売り上げが立つ見込み」(本間会長)だという。パネル各社の競争が激しくなる中で勝ち残るには、収益源の創出に向けて新事業の種まきが不可欠だ。構造改革で事業基盤を固めつつある中、JDIは差異化された新事業を育成して競争から抜け出し、成長路線への移行を急ぐ。

最終更新:7月4日(月)16時0分

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

地球外生命を宿しているかもしれない1つの惑星と3つの衛星
地球外にも生命はいるのでしょうか?NASA(アメリカ航空宇宙局)の惑星科学部門の部門長であるジェームズ・グリーンと一緒に、地球外生命を宿していそうな場所を太陽系内の中で探してみましょう。 [new]