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乳がん手術後のサポート 生活や仕事とのバランス重要

山陽新聞デジタル 7月4日(月)12時50分配信

 おおもと病院(岡山市北区大元)の森川華恵・がん看護専門看護師に、乳がんの手術後の生活への支援について寄稿してもらった。

 乳がんの治療は、他のがんに比べ長期にわたります。また、治療後も定期的に経過を見ていくことや、治療しながら自分らしい日常生活を送るために、生活を支える正しい情報や知識を得ることが必要です。

 治療は入院や通院で行います。そして、がん治療は日々進歩しており、選択肢が広がっています。しかし、複数の治療を組み合わせて行うことが多く、どの治療を選べば良いか分らないと困惑しておられる場面に遭遇することもあります。さらに、家庭、職場、地域でさまざまな役割を担っている年代の患者さんが多く、家族や周りの人々への影響や不安も少なくありません。そのため、生活や仕事などとどのようにバランスを取っていくかが重要になります。

 治療では場合により、手術や薬物療法による乳房の変化や脱毛などのためにボディーイメージの変化や一時的に外見が変わってしまったり、セクシュアリティーに影響するなどということがあります。以下、手術後の生活への支援について述べます。

元の生活をめざして

 乳がんの手術療法後に、腕がこわばる、動かしにくいなどの症状がでる場合があります。手術目的で入院時、「手術後、手が上がらなくなりますか? よくそう聞くのですが…」と不安そうに患者さんから聞かれることがあります。確かに、リハビリテーションをせずそのままにしておくと、筋肉や関節がこわばってますます動かしにくくなるかもしれません。

 そうならないために、医療者は手術後のリハビリテーションやリンパ浮腫予防について説明し、術後の合併症を最小限にとどめ、患者さんが日常生活に戻れるように支援しています。それによって、術後に挙上困難を訴える患者さんに出会うことはほとんどありません。

 一方で、細心の注意を払いながら生活をしていても、リンパ浮腫や蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こして来院される患者さんもいらっしゃいます。これらは、手術数カ月後あるいは10年以上たってからも起こすことがあります。

 具体的には、患肢(手術をした方の上肢)の保護、創部の清潔保持やリンパ浮腫予防のための日常生活の注意点、自己マッサージの方法、リンパ浮腫を起こした時の症状や対処法についてお話しします。そして、自己検診の方法や婦人科検診(年に1回)受診の必要性についてなど、それぞれの患者さんの生活スタイルに合わせて説明しています。

 退院後の生活は、ちょっとした動作が疲れやすいなど、手術前の体調と違うこともあります。疲れを感じる時は休息をとり、家族など周囲の人の協力を得ながら、焦らず少しずつ元の生活に戻していくと良いです。

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最終更新:7月4日(月)12時50分

山陽新聞デジタル