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イメージダウン?「マニフェスト離れ」加速 参院選で政党や候補者

山陽新聞デジタル 7月4日(月)14時10分配信

 10日の投票に向けてヤマ場を迎えている参院選で、政党や候補者のマニフェスト(政権公約)離れが加速している。政策重視の選挙戦につながるとされ、2009年の衆院選では政権交代の原動力にもなったマニフェストだが、盛り込まれた政策が実現できなかったことなどでイメージがダウン。岡山県内でもすっかり存在感が薄れている。

 「政策パンフレットです。よろしくお願いします」

 6月30日夜、倉敷市内で開かれた参院選岡山選挙区(改選数1)の民進党新人の個人演説会。会場入り口では党の政策集が配られたが、表紙に「マニフェスト」の文字はない。

 同党の前身である民主党はマニフェスト選挙を主導し、03年以降の国政選挙では必ず作成してきた。風向きが変わったのは、09年の衆院選で政権交代を果たしてから。高速道路無料化などを掲げながら財源の見通しが立たず、先送りして批判を浴びた。

 新たな党に衣替えして戦う今回の参院選では、党内から「政権時代を想起させる」などの声が相次いだため、「国民との約束」の名称に変更。新人陣営幹部は「過去を反省すれば、名前を変えるのは仕方ない。政策を訴えるのは同じ」という。

縛られたくない 

 公約実現の道筋を明確にするため、数値目標や達成時期、財源の裏付けなどを示すマニフェスト。03年10月の公選法改正により、国政選挙の街頭演説場所や個人演説会場で配れるようになった。

 県内各党も競って掲げたが、今回の参院選で「マニフェスト」の名称を使うのは公明党とおおさか維新の会のみ。名前だけでなく、工程表や財源などの記述も消えつつある。

 民主党のマニフェストを激しく批判した自民党は12年の衆院選から作成せず、参院選岡山選挙区の新人陣営でも党の方針をまとめた「政策パンフレット」を配る。

 同党関係者は「政策目標を具体的に示したら、達成できなかった時に攻撃される。公約に縛られたくない」と明かす。

先祖返り 

 「抽象的で分かりにくい」「きれいごとばかりで負担が明確でない」。6月25日に岡山市内で開かれた岡山大ゼミの勉強会では、岡山選挙区の各候補の公約に大学生や高校生から不満が相次いだ。

 「18歳選挙権」が導入されたこともあり、分かりやすい政策論争が期待される選挙戦。有効な判断材料とされたマニフェストにもう出番はないのか。

 早稲田大マニフェスト研究所メンバーでもある環太平洋大の林紀行准教授は「聞こえの良い政策が並べられ、一昔前の選挙に先祖返りした印象だ。消費税増税再延期で、新たな財源の確保や政策の見直しが求められているだけに、各党には踏み込んだ論戦が求められる」と話す。

最終更新:7月4日(月)14時10分

山陽新聞デジタル