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地域で脳卒中を克服

山陽新聞デジタル 7月4日(月)15時0分配信

▽はじめに

 川崎医大附属病院(倉敷市松島)の宇野昌明脳神経外科部長、八木田佳樹脳卒中科部長に、地域で診る脳卒中について寄稿してもらった。

     ◇

 今まで9回、「脳卒中の最前線」と題して治療やリハビリについてご紹介いたしました。今回は最終回で、地域全体で脳卒中を克服していくことを取り上げます。

1 脳卒中発症から受診まで

 脳卒中の症状が出現したらすぐに救急車を呼んで、脳卒中専門病院を受診することが何より大切です。倉敷地域では救急隊員の皆さんに「倉敷プレホスピタル脳卒中スケール」という脳卒中重症度を簡便かつ迅速に評価できるスコアを救急車の中でつけていただき、すぐに搬送病院に知らせるようにしています(図1)。連絡を受けた病院ではすぐに救急処置(t―PAや血管内治療)ができる準備をして待つようにしています。

2 急性期病院の役割

 脳卒中治療は時間との戦いです。特に脳梗塞に対するt―PA投与は発症から4・5時間以内ですからたいへんです。われわれは治療の流れを7Dで表現しています(図2)。7Dとは(1)発見→(2)出動→(3)搬送→(4)来院→(5)情報→(6)方針決定→(7)治療開始―を表す英単語がすべてDで始まることに由来します。これらのすべてを、4・5時間以内に完結しなければなりません。逆算すると、発見(発症)から来院までの猶予はわずか3・5時間です。受け入れた病院でも患者さんの来院から60分以内に治療を始めることを目標としています。これは容易なことではなく、救急隊および各病院内でのチームワークが重要です。

3 急性期病院から回復期リハビリ病院への連携

 さて、急性期治療が一段落し、後遺症が残った場合は回復期リハビリテーションを行うために専門の病院に移ります(図3)。この際、急性期病院で行った治療および患者さんの情報を回復期リハビリ病院に詳細にお伝えします。回復期リハビリ病院では集中的にリハビリを行い、患者さんが少しでも社会復帰、自宅復帰ができるようにします。このような一連の連携を行う時、「医療ソーシャルワーカー」という専門の方が患者さんの相談に乗ってくれ、問題解決に向けて援助してくれます。

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最終更新:7月4日(月)15時0分

山陽新聞デジタル