ここから本文です

故郷フリーライブに2万5千人 活動35年、布袋寅泰 「今夜、群馬は布袋のものさ」

カナロコ by 神奈川新聞 7月4日(月)15時22分配信

 活動35年を迎えたギタリスト、布袋寅泰(54)が3日、自身の地元、群馬県高崎市で初のフリーライブを行った。「この街があったから、この街を飛び出したかったんだろうと思うし、この街があるから、またここに帰ってくることができた」と感謝。ソロやBOOWYのヒット曲10曲を歌い、集まった2万5千人と盛り上がった。

 クエンティン・タランティーノが監督を務めた映画「キル・ビル」のメインテーマ「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」で始まったライブは、冒頭からヒートアップ。布袋の鋭いギター音に、観客が大きく揺れた。

序盤には、歌手で俳優の吉川晃司(50)と組んだユニット「COMPLEX」の「BE MY BABY」を披露。冒頭、ギターに不具合があり、左耳を近づけて音を確認すると、首を横に振り、歌う直前に肩からギターを外す場面も。異変に気づいたスタッフが慌てて駆け寄り、楽器を交換。布袋は笑顔のままライブを続け、トラブルにも動じない、貫禄を見せつけた。

 「高崎のみなさん、ただいま」とあいさつした布袋に、「おかえり!!」と出迎えた観客。布袋はステージの先にそびえる、高さ102.5メートルの市役所を見上げ、「すごいね。35年前に、市庁舎を前にして、ここで音を鳴らすなんて思っていなかった」と感慨深げに群馬県内で2番目に高いビルを見つめた。

 「この町で生まれて、14歳の時にギターに出合って、(英国のアーティスト)デビッド・ボウイの虜(とりこ)になって、いつか隣に行けたらと、でっかい夢を持って練習を続けていた。その後、素晴らしい仲間と出会って、BOOWYを結成して日本一のバンドになりました。自分の愛するロックンロール、音楽をみんなと共有できることをうれしく思います」としみじみ。中盤には、上州のからっ風が吹く「風の街」でギターを手にし、夢に向かいまい進する自身を歌った「8BEATのシルエット」を熱唱。魂のギターをうならせた。

 19歳の時のいたずら書きがきっかけで生まれた、白黒の幾何学模様を描いた「ギタリズム柄」のギターで奏でたのは、大ヒット曲「スリル」。踊り出した観客をのぞき込むように両目を見開き歌った歌詞では、一部を変え「俺のすべては、お前たちのものさ」「今夜、群馬はオレだけのものさ」とシャウトし、会場を沸かせた。

 故郷の空に響くギターを、場内の1万人、場外にあふれた1万5千人が近くのビルの屋上などから楽しんでいた。

 現在は、英・ロンドンに拠点を置く布袋。「布袋コール」で迎えられたアンコールでは、「海の向こうでもライブハウスからコツコツ頑張って、いまも夢を追いかけています」と、抱き続けている熱い思いを告白した。

 「バンド(BOOWY)はもうなくなってしまったけれど、4分の1のギタリストとしては、みんなが歌ってくれるなら、ギターで刻み続けていきたい」と、20歳のころに書き下ろしたという「NO NEW YORK」を集まった観客と合唱。「Dreamin’」の最後は、「Going My Way」と叫び、左拳を空に突き上げた。

 13日には、アメリカ・ロサンゼルスの老舗ライブハウス「トルバドール」、15日にはニューヨークの「ハイライン・ボールルーム」で2013年以来となる米国公演を予定。

 9月3日からは、国内24都市、26公演を展開するツアーがスタート。神奈川県内では9月4日に、「神奈川県民ホール 大ホール」、11月23日に「相模女子大学グリーンホール」でコンサートを行う。

 布袋は1981年に、氷室京介(55)らと、バンド「BOOWY」を結成。7年の活動を経て、88年に東京ドームで行ったギグでバンドでの活動に終止符を打ち、ソロや吉川とのユニット、さらに女性音楽グループ「ももいろクローバーZ」などへの楽曲提供など幅広く活動してきた。

 今回のフリーライブは、高崎市からの要請を快諾したもので、市も地元の名士を歓迎しようと、1・2日には、市役所庁舎に布袋のギタープレーなどを約5分間投影する「プロジェクション・ラッピング」を行うなど、お祭りムードに。

 高崎駅に隣接するコンビニでは、入り口の自動扉や窓ガラスに、布袋のアルバムジャケットやギターをデザインしたシールを貼り付けたほか、店内を布袋のポスターなどで埋め尽くすなど、大歓迎していた。コンビニを見た布袋は、「まるで、自分の店のように飾られていて…。でもうれしく思います」と喜んでいた。

最終更新:7月4日(月)15時22分

カナロコ by 神奈川新聞