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季節の変化敏感に 動植物30種を観測、横浜地方気象台

カナロコ by 神奈川新聞 7月4日(月)17時46分配信

 季節の移り変わりを知るため、動物の初鳴きや植物の開花などを調べる気象庁の「生物季節観測」。横浜地方気象台では動植物30種を記録する。7月はシオカラトンボの初見日(初めて観測した日)やヒグラシの初鳴きなど、動物の平年値が最も多い月でもある。季節の話題を提供するだけでなく、中長期の気候の移り変わりを知る大切な指標とあって、職員は丁寧な観測に努めている。

 「通常、アジサイの『花』と呼ばれる部分は装飾花で、本当の花、つまり『真花』はこの奥に隠れているんです」。横浜地方気象台で観測予報管理官を務める常盤実さん(56)の口調が熱を帯びる。真花が2、3輪咲いた状態が、アジサイの開花日。それぞれの動植物で初見や初鳴き、開花や満開の指針が決まっている。

 生物季節観測は1953年に指針が作られ、現在は全国58カ所の気象台・測候所で記録。種目は植物34種、動物23種が指定され、横浜では植物16種、動物14種を観測している。

 環境が変化すれば、観測対象も変わる。横浜では過去、カキ、サザンカ、ヤマブキ、ヤマユリの開花やアオダイショウ、カナヘビ、トカゲの初見などの観測をやめた。気象庁情報管理室は「都市化の影響もあり、観測できない数が増えている」と話す。他気象台では今年、仙台のシオカラトンボ、盛岡、大分のトノサマガエルが除外された。

 観測場所は原則として気象台や測候所から半径5キロ以内とされている。植物の場合は基本的に敷地内の標本木を観測すればよいが、動物はそうはいかない。いつどこで姿を見るか、鳴き声を聞くか。気象庁の指針には、間違いやすい動植物の見分け方なども記され、非公式ながら鳴き声の音声ライブラリーもある。常盤さんは「季節が近づいた対象の動植物については、指針や図鑑などを参考に日頃から調べ、心の準備を怠らないことが大切」という。

 今年の横浜は「クワの発芽日」が3月15日、「ノダフジの開花日」が4月18日で、ともに観測史上2番目の早さだった。最新の横浜の生物季節観測の記録は、横浜地方気象台のホームページで閲覧できる。

 【横浜で平年7、8月に観測される種目】
 ▽動物 ニイニイゼミ(初鳴き)ヒグラシ(初鳴き)ミンミンゼミ(初鳴き)アブラゼミ(初鳴き)シオカラトンボ(初見)ツクツクホウシ(初鳴き)
 ▽植物 ヤマハギ(開花)サルスベリ(開花)

最終更新:7月4日(月)17時46分

カナロコ by 神奈川新聞