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「帝国の慰安婦」批判の翻訳出版記念会で激論

ハンギョレ新聞 7月4日(月)12時10分配信

「帝国の慰安婦」著者と批判書の著者がライブ動画で対峙

「誰のための和解なのか」出版記念講演会
著者は入国不許可のため日本から動画で参加
批判対象の朴裕河氏が参加し
事実歪曲との主張を繰り返し散開

 雨脚が激しくなるなか、多くの人が集まった。1日午後6時、「誰のための和解なのかー『帝国の慰安婦』の反歴史性」(イム・ギョンファ訳/プルン歴史)の翻訳出版記念講演会が開かれたソウル鍾路区・社稷路のプルン歴史アカデミーは、収容制限を超えた50人の聴衆でいっぱいになった。

 ある参加者が語ったように、最初から“異常な講演会”であった。講演会の主人公である「誰のための和解なのか」の著者で明治学院大准教授の鄭栄桓(チョンヨンファン)氏(36)の姿はこの場になかった。在日同胞3世の鄭氏は、今回の講演会のため入国申告書を提出したが「不許可」にされた。国籍表記欄の「朝鮮籍」が不許可の理由であろう。鄭氏はライブ動画で参加者と向き合うことになった。鄭氏の代わりに、この場には同書が批判した「帝国の慰安婦」著者で世宗大教授の朴裕河(パクユハ)氏が、彼女のドキュメンタリーを撮影する人たちと共に参加した。朴氏は講演会自体が自分に対する非難であると主張し、出版社側に参加を求め、出版社側も誰でも参加できる公開講演会だと答えたという。

 予定になかった朴氏の参加で関心を集めたが、結局、講演会は両者の見解の違いを再確認したまま終わった。

 鄭氏は同書の主要内容を要約し、「合理的に歴史を清算してきた日本」対「感情的で無理な要求ばかり掲げる韓国人の反日民族主義」という対立構図に基づく朴氏の主張に一つひとつ反論し、回答と再反論を求めた。しかし、朴氏は質問に答えるより従来の主張を繰り返し、鄭氏の主張が自分に対する名誉毀損だと重ねて明らかにした。

 「帝国の慰安婦」は、朝鮮人「慰安婦」と日本軍が、同志意識を持つ同志的関係にあったことを示す事例として、ジャーナリストの千田夏光氏の描写や古山高麗雄氏の小説を引用する。これに対し鄭氏は、二つの引用は過剰解釈であるばかりか、日本軍兵士と作家の発言を朝鮮人「慰安婦」の証言として引用するなど、事実自体が間違っていると指摘した。朴氏が「平和の少女像」について、韓国人の家父長的な純潔主義の所産だと批判し、朝鮮人「慰安婦」の平均年齢が25歳だと主張したことについても、鄭氏は大多数の慰安婦は動員された当時、20歳未満の未成年者だったと資料を通じて論駁した。

 この日の講演で最初のスピーチを行ったオスロ大教授の朴露子(パクノジャ)氏は、西洋列強の帝国主義侵略の歴史を肯定する英国の歴史学者、ニオール・ファーガソンなど歴史修正主義の系譜を示し、「そこに朴裕河教授も加わった」と「帝国の慰安婦」を歴史修正主義分派に属す本であると明確に規定した。朴露子氏は、帝国主義とファシズム、資本主義の歴史を擁護する歴史修正主義の登場は世界的な現象だが、「日韓の歴史修正主義はそこから一歩踏み出した」特殊性があると指摘した。西洋でもユダヤ人集団虐殺のホロコーストの存在そのものを否定する人たちが少なからずいるが、「いくら歴史修正主義者でも被害者を加害者に置き換えるケースはない」とし、被害者の元慰安婦ハルモニ(おばあさん)らをこうして追い込み、侮辱するのは「世界の他の国ではほとんど見当たらない」と指摘した。

 講演会実行委員長の資格で出席した立命館大コリア研究センター研究顧問の徐勝(ソスン)氏は、鄭氏の入国禁止措置が「国内法上でも国際法上でも問題がある」、「非人道的であり民族的損失となる『朝鮮籍』同胞らの入国不許可規制を直ちに解除すべき」と求め、行政訴訟などを始めると明らかにした。

ハン・スンドン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月4日(月)12時10分

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。