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東日本大震災、熊本地震と2度の被災を経験したある選手の奮闘

ゲキサカ 7月4日(月)11時41分配信

[7.3 J2第21節 熊本1-5C大阪 うまスタ]

 3点のリードを奪われた後半31分、ロアッソ熊本は最後の交代カードとしてFW齋藤恵太を投入した。齋藤は熊本地震による中断後、再開初戦となった5月15日の千葉戦で左肩を負傷。左鎖骨遠位端骨折で全治8週間の診断を受けていた。本拠地再開初戦となったC大阪戦は、齋藤の復帰戦でもあった。

「前からボールを追いかけて、後ろを楽にできればなと思った。とりあえず死ぬ気で走れと言われたので」。必死にボールを追いかけた齋藤。ゴール前でのチャンスを作ることは出来なかったが、ハッスルプレーで復活をアピールした。

 齋藤の出身地は宮城県亘理郡山元町。2011年に発生した東日本大震災の際には津波による甚大な被害を受けた地域だ。齋藤の実家も津波被害に遭い、奇跡的に齋藤の実家だけは倒壊を免れたが、周囲の家は軒並み流されてしまった。

 福島県との県境にあることから原発被害の心配もあり、生活の見通しすら立たない状況。聖和学園高から仙台大への進学を控え、希望に満ち溢れている時期だったが、大学への入学も遅れ、当時はサッカーどころではなくなっていた。

 ただそんな中でも家族の明るさは救いだった。「家自体は建っているので、そこをじいちゃんとかが直して住んでいるんです。『俺はここで死にたいんだ』って言ってて。周りは家が全くないんですけどね」。

 齋藤は与えられた環境に感謝しながら、がむしゃらに大好きなサッカーを続けた。そして4年後の福島ユナイテッドFCへの入団を決め、夢であったプロとしての第一歩を踏み出した。1年目からレギュラーとして活躍すると、J2熊本への“個人昇格”を勝ち取った。

 そこで起きた今回の熊本地震。与えられた運命を感じずにはいられない。「自分たちが今出来ること、やれることをやる」。経験が生きることがある。そして今は立場を変え、プロサッカー選手として活力、日常の明るさを与えなければならないと意識を強めている。 

「自分がその経験を生かすというよりも、経験があったからこそ今、俺がピッチでやれているというのがある。プロである以上、勝利を届けないといけない。それが熊本を盛り上げることになる。1試合でも多く勝つこと。それが元気になると思っているから」

 5戦ぶりの敗戦で順位を12位に落とした熊本だが、未消化の試合も多くあることから、まだまだ上位を狙える状況にある。過密日程は厳しいが故障明けの齋藤は、元気な状態にある。「ホームでやるときはいい結果、点数もそうだし、勝利というところをこだわっていきたい」。昨季J3で8得点を挙げた点取り屋が上位追撃のキーマンになる。

[写真]左から2人目が齋藤

最終更新:7月4日(月)11時41分

ゲキサカ

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