ここから本文です

中国が台湾と対話を停止 理由となった「一つの中国」とは?

THE PAGE 7月5日(火)12時0分配信

 中国国営の新華社通信は6月25日、中国国務院台湾事務弁公室の安峰山報道官が「中国と台湾は対話のメカニズムを停止している」と述べたと報じた。安報道官は理由について、「台湾の現政権が、『一つの中国』原則を支持した『92年合意』を認めないため」と述べたという。両国の関係性を動かす「92年合意」とは、何だろうか。

「一つの中国」をめぐる中台の緊張

 「92年合意」とは、1992年に中国の対台湾交流窓口機関「海峡両岸関係協会」と、台湾の「海峡交流基金会」の実務者間の協議で、「一つの中国」原則を合意したとされることを指す。ただし、この「一つの中国」の解釈は分かれており、中国にとっては「中国」は「中華人民共和国」を、馬英九政権下での台湾では「中華民国」を指すと解釈され、玉虫色の合意とされてきた。

 中国はこの「一つの中国」論を受け入れることを台湾との対話の条件にしており、台湾が独立を目指すような発言や動きに敏感に反応してきた。1999年に李登輝元総統が中台関係「二国論」をとなえると、中国側は激しく反発。台湾民進党の陳水扁元総統が2002年、それぞれ別の国であるとする「一辺一国」論をとなえると、中国は強く非難した。

 民進党・蔡総統は李登輝元総統の「二国論」の起草に関わった人物でもあり、中国政府は今年5月に総統に就任した蔡氏がこの合意を認めるかを注視していた。蔡氏は5月の総統就任演説で、「1992年の両岸両会会談および求同存異の共通の認知は歴史的事実である」としてその存在を認めているが、中国は6月末、蔡総統が明示的に92年合意を「受け入れていない」ことを理由に、対話メカニズムを停止したと発表した。

中台関係は再び悪化するのか?

 独立指向の強い民進党が台湾で政権を取ったことで、中台関係は再び悪化するのか。米ペンシルバニア大現代中国研究所所長のアヴェリー・ゴールドシュタイン教授は「かねてからの中国の懸念は、民進党の蔡英文氏のように新しく民主的に選出された総統が、台湾が本土から一挙に独立する道を模索する動きに出ることだった」と、中国の警戒の動きの背景を説明する。

1/2ページ

最終更新:7月5日(火)12時12分

THE PAGE