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太陽光発電による「スマートゴミ箱」、日本一広いテーマパークで実証開始

スマートジャパン 7月5日(火)13時25分配信

 広さが150万平方メートルを超える「ハウステンボスリゾート」の一角に、目新しいゴミ箱が設置されている。米国のBigBelly Solar社が開発した「スマートゴミ箱」だ。日本国内でスマートゴミ箱を販売する日本システムウエアとハウステンボスが共同で6月29日から実証実験に取り組んでいる。

 スマートゴミ箱は上部の曲面に太陽光パネルを搭載している。太陽光で発電する最大20ワットの電力を使って、ゴミの蓄積状況をセンサーで感知してデータを無線で送信することができる。さらに内部に溜まったゴミを自動的に圧縮する機能もある。世界中で注目を集めている「IoT(Internet of Things、モノのインターネット)」を応用したシステムである。

 ハウステンボスに設置したスマートゴミ箱は2つのタイプを組み合わせた。1つは可燃ゴミを回収する圧縮タイプで、もう1つは缶やペットボトルを回収してリサイクルする非圧縮タイプだ。圧縮タイプはゴミが一定量を超えると自動的に圧縮機能が作動する仕組みになっている。

 2つのタイプのゴミ箱ともに内部の蓄積レベルをLEDで表示するほか、センサーで感知した蓄積状況のデータを携帯電話の回線を使って遠隔地の管理システムに送信する。管理システムの画面にはゴミ箱ごとの蓄積状況をグラフで表示できるほか、ゴミ箱の設置場所を地図で表示して収集作業の計画を立てることもできる。

 すでに米国やヨーロッパでは数多くの自治体や大学がスマートゴミ箱を導入して、収集作業の効率化で人員とコストを大幅に削減する成果を挙げている。日本では東京・港区にある東海大学の高輪キャンパスに2016年1月に設置したのが第1号で、ハウステンボスと同様に実証実験に取り組んでいる。

 ハウステンボスでは実証実験で蓄積した運用データをもとに、ゴミの収集業務の改善効果を検証する。検証結果をもとにオリジナルのスマートゴミ箱も開発する計画だ。敷地が広いテーマパークのゴミ収集業務を効率化しながら、来場者が「わくわくするゴミ箱」を展開していく。

ホテルでは太陽光で電力と温水を供給

 これまでもハウステンボスでは最新のIT(情報技術)や再生可能エネルギーを積極的に導入してきた。2015年7月に開業した「変なホテル」では、フロント業務をロボットが代行する世界で初めての運営方法を採用して大きな話題を呼んでいる。

 続いて2016年3月に開業した「変なホテル」の第2期棟には、太陽光と水を組み合わせた自立型のエネルギー供給システムを導入した。太陽光で発電した電力を使って、水を電気分解して水素を製造するシステムである。内部に貯蔵した水素から燃料電池で電力と温水を作り出せるため、停電が発生してもホテル内にエネルギーを供給できる。

 太陽光による発電能力は62kW(キロワット)で、貯蔵した水素から生み出せる電力量は最大1800kWh(キロワット時)になる。一般家庭が1日に利用する電力量(10kWh)に換算して180世帯分に相当する。変なホテルの第2期棟の72室のうち、12室分の電力は年間を通じて太陽光と水だけで供給することが可能になった。

 このほかにもテーマパークに隣接する別荘地では、太陽光と風力を組み合わせたハイブリッド発電システムが2015年7月から稼働している。発電能力が30kWの太陽光パネルと2基で合計10kWの小型風力発電機で構成する。発電した電力を蓄電池に貯めて、別荘地の管理センターで使用する電力を自給自足する試みだ。

 今後はテーマパークの敷地内に数多くのスマートゴミ箱が設置されて、再生可能エネルギーの利用量が一段と増える。環境に配慮したテーマパークの先進的な取り組みは続く。

最終更新:7月5日(火)13時25分

スマートジャパン