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『World of Tanks』強豪プレイヤーが戦いかたを伝授! “トレーニングキャンプ 2016 ”リポート

ファミ通.com 7月5日(火)12時7分配信

文・取材:ライター ロウェル菊池、撮影:編集部 ミス・ユースケ

●猛暑にも負けず、訓練生たちが続々と入場
 2016年7月3日、ウォーゲーミングジャパンはPC用オンライン戦車バトル『World of Tanks』(以下、WoT)のオフラインイベント“World of Tanks トレーニングキャンプ 2016”を開催した。

 『WoT』プレイヤーの技術向上を目的としたイベントで、国際大会などで活躍している実力派チーム“Caren Tiger”と“B-Gaming”のメンバーを講師として招待。実戦や座学を通して、参加者たちに戦術やテクニックを学んでもらおうという内容だ。

 汗も蒸発しそうなほどの外の陽気にも負けず、35人ほどの熱心なプレイヤーが来場。イベント自体は技術向上を目指す“ガチ”な内容だが、全体的に和やかな雰囲気で進行した。なお、メイン会場のホール内は飲食禁止だったが、レッドブルだけは例外で、しかも飲み放題。さすが。

 イベントの模様はニコニコ生放送で配信され、そちらのMCは女優の結氏と運営チームの加持氏が担当。非常にためになる内容だったので、タイムシフト視聴が可能な人はぜひ。

World of Tanks トレーニングキャンプ 2016 生中継

 参加者は5人ずつのチームに分けられ、A~Gの7チームを結成。参加者のプレイデータをもとに、なるべく実力差が出ないように分けられており、それぞれに講師がひとりずつ付いた。『WoT』には数多くのマップがあるが、今回は“鉱山”ひとつに絞って戦いかたを叩き込んでいく。

 実際に指導を受ける前に、トッププレイヤーの実力を肌で感じようということで、講師陣チームと参加者チームで対戦が実施された。結果は当然、講師陣チームの圧勝。それでこそ指導の説得力が増すというものである。

●試合ルール
・対戦形式:5vs5 BO3
・上限Tier:Tier6
・試合時間:6分
・インターバル:3分
・攻撃/防衛戦
・マップ:鉱山(Mines)
・攻守選択:じゃんけん

●全プレイヤー必見必聴! 『WoT』の座学の時間
 45分の昼食タイムを終えると、いよいよトレーニングキャンプの本番がスタート。まずはB-Gamingのtakkyyy選手、Caren TigerのAki00v選手による『WoT』座学の時間だ。

 takkyyy選手のパートでは、今回適用されるルールに則って、使いやすいTier6の戦車を解説。最初に、機動力の高いCromwellとT37のふたつが候補に挙がった。T37も優秀だが、HPはCromwellのほうが多く安定性が高い。さらに、榴弾を発射可能な主砲を搭載できるというユニークな特徴もある。事前に行われたB-GamingとCaren Tigerのテストマッチでは、Cromwell中心の編成だったとのこと。

 続いて、防衛側で使うことを前提に、M6とTOG II、O-Iといった重戦車群を列挙。M6は重戦車としては機動性が高く、O-Iは火力の高さが魅力。TOG IIは機動力こそ低いが、持ち前のHPの多さで、仲間の壁役としてなら活躍しやすいと語っていた。

 車両選択のつぎはスキルの話へ。共通スキルは“戦友”で、車長は“偵察”、“なんでも屋”、“第六感”、砲手は“速射”、操縦手は“オフロード走行”、“スムーズな運転”、“クラッチの名手”が挙がった。なお、“状況判断力”は本来は無線手のスキルだが、中国戦車の乗組員は装填手に装着させることが可能。中国の戦車を使うなら、これを利用すれば、スキルセットの幅が広がる。

 拡張パーツは、照準時間を10%短縮させる“砲垂直安定装置(Vertical Stabilizer)”と、装填時間を10%短縮させる“装填棒(Rammer)”はほぼ必須。やや優先度は落ちるが、搭乗員のスキル能力を向上させる“改良型換気装置(Improved Ventilation)”も挙げた。消耗品の“お茶とプリン”や“チョコレート”といったレーション系と合わせて使用すれば、両方が同じ効果を持つことからさらに高い補正効果を得られるため、セットで運用するのがオススメとのこと。

●戦術の基本は“フォーカス”と“ヘルス管理”
 講義はいよいよ実戦的な戦術・戦略の話へ。大切なのは“フォーカス”と“ヘルス(HP)管理”。フォーカスとは、優先して攻撃する対象を判断して集中攻撃を加えること。HPが少ない敵をフォーカスして攻撃すれば撃破しやすく、数的優位に立ちやすくなる。誰を狙うか瞬時の判断が大切で、基本的には最初にダメージを与えた敵がフォーカス対象になるという。

 ヘルス管理とは、言わば“生き残るための行動”全般を指す言葉だ。ひとりでもやられるとチームの総合的な火力が落ちるため、勝つためには頭数を減らさないことが何より重要。仮にラッシュを仕掛けた場合、先頭車両は敵にフォーカスされてHPを削られることが多い。ここで自棄になって突撃するのはNG。いったん撃たれにくい場所に退避したりHPが多い戦車に前に出てもらえば、敵のフォーカスが分散する。無理に敵を倒すよりも、死なないように動いたほうが勝利に貢献できるのだ。

 このほかにも、「チーム間でのスケジュール調整にはスプレッドシートを利用」、「ボイスチャットにはTeamSpeak3やSkypeが便利」、「反省会をするために必ずリプレイを保存」など、有益な情報が多く飛び出した。

●鉱山では西の陣地を取るのがセオリー
 ここで、Caren TigerのAki00v選手へとバトンタッチ。システム面や事前準備に当たる部分よりも、鉱山における有利な点や動きかたといった、より実践的な内容がメインに。

 鉱山では“西にある島”、“中央の丘”、“東の市街地”がおもな戦場になり、今回は西と中央に着目(東の市街地は奇襲に使われることが多い)。攻撃/防衛戦では、東側の陣地は南や南西に視界が開けていることから、敵の砲撃を受けやすく、占拠には向かないというポイントが伝授された。また、5vs5という少ない人数での対戦では、ひとりひとりの責任が大きくなるので、とにかく死なないことが大事。takkyyy選手同様、念を押していた。

【戦闘時に意識したいことの例】
・編成に自走砲を入れた場合は、あえて戦線を膠着させて装填時間を稼ぐと効果的
・重戦車を壁として活用するなら、足並みを揃えて移動し、戦闘に参加しやすい状況を作る
・軽、中戦車が重戦車と対峙した場合、味方の援護がないなら、無理に戦おうとせずに逃げることも必要

 その後は、それぞれのチームが各講師による指導を受けつつ、練習試合や作戦会議の時間に。この後に実施されるミニトーナメントで頂点に立つべく、各チームともに熱心に議論を交わす様子が見受けられた。

●講師から指導を受けた参加者チーム同士が激突!
 イベントが後半に差し掛かると、参加者の成長を確かめるためのミニトーナメントが行われた。講師による指導が功を奏したのか、膠着状態からの畳み掛けるような攻勢や相手のリロード時間を突いた突撃といったグッドプレイが連携が散見され、どの試合も大盛り上がり。

 試合はホール内と隣りのスペースの2ヵ所で実施。ハイレベルな試合の中でも、とくに目立っていたのはホール内で戦っていたEチームだ。声を出して連携を取るのを基本としつつ、彼らは仲間が敵を撃破したらひと際大声で褒め、勝利したときには互いにハイタッチを交わすなど、ほかのチームよりも明らかに士気が高かった。

 その甲斐があってか、Eチームは2試合目以降も2本連続でポイントを先取して勝ち上がっていった(BO3方式なので、さきに2ポイントを取った側が勝利する)。破竹の快進撃は決勝戦でも止まらなかった。機を見て突撃してきた相手チームを返り討ちにする展開が目立ち、見事に優勝の座を手に入れた。

 Eチームは声を張っての連携はもちろん、指揮官役のプレイヤーによる細かな指示が的確だったように感じた。さらにチーム全体のフォーカスやヘルス管理も秀逸。統率された動きができたことと、それを可能にしたチーム内の雰囲気のよさが、今回の勝因だったと言えるだろう。

●下剋上に沸いたエキシビションマッチ
 ミニトーナメントの熱も冷めやらぬ中、優勝したEチームは参加者チームの代表として講師陣チームと再び戦うことになった。優勝できたからと言っても練習と講義の時間は合わせて3時間ほど。誰もが講師陣チームの勝利は揺るがないと思っていただろうが、いきなり大方の予想を裏切る出来事が起こる。

 なんと、1戦目はEチーム側が勝利を収めたのだ。攻撃側のEチームはいきなり全車輌で突撃を敢行。虚を突かれた講師陣チームは何とか3輌を倒すものの、4輌を立て続けに撃破されてしまった。Eチームは残った2輌で講師チームの生き残りを猛追し、見事撃破した。

 試合直後、講師チームのひとりが操作設定をし忘れていたことが判明。実質的に5vs4で展開されていたようなもので、最初からEチームが圧倒的に有利だったのだ。それでも、世界の舞台に立つような現役選手を即席チームが打ち負かしたのは事実。会場内からは惜しみない称賛の声が上がった。

 だが、ラッキーはここまで。その後は実力と経験の差を見せつけるかのように、講師陣チームがEチームを圧倒。2勝1敗という成績で、エキシビションマッチは講師陣チームが勝利した。

 今回の“World of Tanks トレーニングキャンプ 2016”は台湾でも開催されている。2016年7月9日には特訓の成果を試す目的で、トレーニングキャンプ参加者限定のオンライントーナメントが開催予定だ。日台戦でこの日に培った実力を存分に発揮してほしい。

 トーナメントで優勝したEチームの方に話を伺ったところ。講師からの教えは自分たちが知らないようなことばかりだった模様。自分たちはまだまだ経験が足りないと感じているようで、現役の選手が講師となり、近い位置から戦いかたを教えてくれる今回のイベントはとてもありがたく、2回目も開催してほしいとも語っていた。

 オフラインイベントは参加のハードルが高いと感じる人も多いかもしれない。今回のトレーニングキャンプはもっとうまくなりたい初~中級者を対象に開催されたもの。ユーザーとのコミュニケーションを重視するウォーゲーミングジャパンが今後どのような施策を用意するのか。次回以降も期待したい。

最終更新:7月5日(火)12時7分

ファミ通.com