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【映像】バグダッド爆発 夢追いかけたダンサー死亡 渡米予定も

AP通信 7月5日(火)16時4分配信

 [バグダッド イラク 5日 AP]

 イラク首都バグダッドの中心部カラダ地区で3日に発生した自動車爆弾テロで、同国ダンサーの草分け的な存在のイラク人ダンサー、アディル・ファラジュさんが死亡していたことがわかった。23歳だった。ファラジュさんの兄弟が明らかにした。
 
 バグダッドの貧しい家庭に生まれたファラジュさんは、芸術・表現が軽蔑される同国におけるダンサーの草分け的な存在で、ダンスを独学で学び、2003年のイラク戦争時も戦火から逃れながらダンスはやめなかった。ファラジュさんはダンスビデオをオンライン上に投稿し、2014年に米ニューヨークのバッテリー・ダンス・カンパニー創設者ジョナサン・ホランダー氏の目にとまる。
 1週間前に4年間学んだ法律学校を卒業したばかりのファラジュさんは3日朝、多くの商店が軒を連ねるカラダ地区にイスラム教の断食(ラマダン)期間を終える祭日を前に衣類などを買いに出かけ、テロの犠牲になってしまった。
 ファラジュさんは近く、プロダンサーの夢を追い婚約者とアメリカに渡る予定だった。

 バッテリー・ダンス・カンパニー創設者ジョナサン・ホランダー氏は突然の訃報に、「アディルはダンスが満足にできない社会環境におり、圧力を受けていた。戦争・紛争地域に暮らし、スタジオもなく、教えてくれる先生もいない。ダンスができる環境がなくても、彼は耐え忍び、諦めなかったんだ」と話した。

 ヨルダン・アンマン(4月16日)でファラジュさんはAPの取材に応じ、「イラクでは様々な問題があるため、わずかな人しかダンスをしていない。宗派によっては芸術表現に攻撃的な宗派もあり、関心を示す人はいるが、大多数は政治や宗教を重視する。ダンスや芝居、音楽、スポーツなどはとても軽視される。政府や自治体、大衆から支持や支援を受けられない」と話し、イラクの現状を話してくれていた。

 同テロは4日までに200人以上が死亡し、負傷者も200人を超えている。その1人1人に夢や希望があったに違いない。

 映像はダンスするファラジュさんの姿。(2016年4月撮)

(日本語翻訳 アフロ)

(C) AP

最終更新:7月5日(火)16時31分

AP通信

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。