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数少ないシャンパン製法による発泡純米酒 県産米使い滝沢酒造が発売

埼玉新聞 7月5日(火)10時30分配信

 埼玉県深谷市田所町の滝沢酒造(滝沢常昭社長)は、県産の酒造好適米「さけ武蔵」を使った発泡純米酒「菊泉 ひとすじ」を発売した。シャンパンの製法を応用した酒で、専務の滝沢英之さん(45)は「日本酒本来の香りとシャンパンのような透明感、爽快感を楽しんでもらい、幅広いシーンで飲んでいただきたい」と話している。
 
 開発のきっかけは約20年前。滝沢さんが修業先の都内の酒造会社でもろみの分析中、発酵途中で生じたピリピリした発泡感や甘みと酸味の調和に驚いた。「この味わいを何とか製品にできないか」。思いを胸に抱いて蔵に戻り、2007年に酒造りの最高責任者の杜氏(とうじ)に就いた。その翌年から「発泡」と「甘酸っぱさ」の二つをキーワードに商品開発に取り組んだ。
 
 瓶の中で発酵を進め、自然の炭酸ガスを発生させる「瓶内二次発酵」製法を採用。10年に発泡性日本酒の第1弾、「彩のあわ雪」を発売した。飲みやすさから女性を中心に人気を呼んだが、その一方で発泡感が弱く、にごりで泡が見えにくいという課題も浮かんだ。
 
 滝沢さんは、より透明で発泡性の高い日本酒造りに着手。発酵の際に瓶内に沈んだ澱(おり)を凍らせて取り除くシャンパンの製法に注目した。高い技術と手間を要するため、この製法で日本酒を醸造している酒蔵は全国でも数少ない。
 
 発酵を促す澱の量と発酵の際の温度の適切な組み合わせを決めるのに試行錯誤を繰り返した。“あの味”を追い求め、3月についに理想の味にたどり着いた。グラスに注いだ時に発生する一筋の泡と、製造スタッフの酒造りに対する思いを込めて、出来上がった酒は「ひとすじ」と名付けた。
 
 滝沢さんは「酸度が高いので、脂っぽい肉料理や洋食にもよく合う。女性や外国の方をはじめ、多くの人に味わってほしい。お祝い事や贈り物にも使っていただければ」と話す。価格は720ミリリットル入り4500円(税別)。
 
 問い合わせは、滝沢酒造(電話048・571・0267)へ。

最終更新:7月5日(火)10時30分

埼玉新聞