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カンヌライオンズの舞台を11年間守っている、あのミステリアスなMCは何者?特別インタビュー

SENSORS 7月5日(火)16時30分配信

6月18日から23日まで開催された、第63回カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル。カンヌライオンズ2016のオフィシャルメディアサポーターであるSENSORSでは、現地でのインタビューレポートをお届けする。

毎年、カンヌライオンズの授賞式のホストMCとして毎回走って登場し、何ヶ国語も流暢に扱うあの気になる男性は誰だ!?ということで今回カンヌ期間中にインタビューを行った。

毎年、クリエイティブ広告のマスタークラスを受けている気持ち

--直球で恐縮ですが、まずあなたの事を教えていただけますでしょうか?

Senor: 私はカンヌの七不思議のひとつとして、毎回存在感を消していたつもりだけどな(笑)。

私の名前はJuan Senorと言います。スペイン生まれのロンドン在住です。本業はジャーナリストとしてメディア・コンサルタントをしています。世界中の新聞社や雑誌社の紙時代からデジタル時代へのイノベーション・メディア・シフトのコンサルティングを10年間携わっています。

--カンヌライオンズが本業ではなかったのですね...

Senor: みんなカンヌライオンズが本業だと思ってるんですよ(笑)。
元々ロンドンでプロフェッショナルTVプレゼンターとして活動していたのですが、11年前にプロフェッショナル・メディア・ジャーナリストとして活動をし始めた時にカンヌライオンズ事務局がフリーランスのプレゼンターを募集していたんだ。広告業界には興味もありニュースを毎日チェックしていたし、私はどこの広告会社などにも属したことがない中立的な立ち位置でいることがカンヌライオンズ事務局が求めていた人材とマッチしたのが始まり。それから11年間、年に一回の副業としてここカンヌに来ています。

--過去11年間、カンヌライオンズを見守り続けているSenorさんは毎年変わる審査員メンバーの誰よりも、クリエイティブ広告について目が肥えているのではないでしょうか?

Senor: まさに毎年6月にクリエイティブ広告のマスタークラスを受けている気持ちなんですよ。私が過去11年間必ず行っていることとして受賞者に“このクリエイティビティはどこから生まれたの?“と聞いています。私はそれまでアイディアは一瞬のひらめきで生まれるものだと思っていましたが、全く異なっていて共通する3つの要素を見つけました。それは、多くのリサーチ量、オープンディスカッション、そしてチームワーク。この3つのポイントは全てのクリエイティブ広告作品に当てはまることではありませんが多くのクリエイティブ広告受賞作品にいえるポイントでしょう。

もうひとつ、MCを続けてきた上で思うことはカンヌライオンズは上手にカテゴリーを横展開していると思うが、合わせてカテゴリーについてはとても複雑になってきていると思います。
それぞれのカテゴリーが他のカテゴリーとも被っている部分もあり、各カテゴリーの審査基準や軸においている重要ポイントなど、元々の意味も含めて毎回私も確認しているぐらいです。

正直、カンヌライオンズは元々の原点に戻るべきだと思っています。
カンヌライオンズはクリエイティビティと名前を変えた時は自分たちがやっていることはとても明確だったが、その後デジタルの変化の速さに対応することで精一杯です。焦ることをやめて一度立ち止まってみるのも必要かと思います。

--Senorさんがカンヌライオンズ事務局、参加者に助言されるとしたら何を伝えたいでしょうか?

Senor: カンヌライオンズ事務局はまずはスローダウンすることで周りのみんなの“興奮度“も落ち着くのではないでしょうか。私は参加者の皆さんがWhat' s Next病にかかっていると思います。次に起こることについてみんな貪欲に知ろうとします。もちろん知ること、予測することは大事ですがそれだけを目標に動いているのはとても心配になります。そればかり追いかけるだけだと何も新しいことが生まれません。
デジタルという存在がWhat's next 病を悪化しているようにも思えます。例えば、ハリウッドではデジタルの進化が進んでもストーリーが最優先に重要視し、テクノロジー/プラットフォームは最優先事項ではありません。クリエイティブ広告業界でも同様ことが言えるはずなのにデジタルの進化に合わせてストーリーとテクノロジーの優先順位があやふやになってきていると思います。

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最終更新:7月5日(火)16時30分

SENSORS