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玄海原発「再稼働反対」佐賀・伊万里市長が明言 半径30キロ圏で県内初

佐賀新聞 7月5日(火)11時36分配信

 佐賀県伊万里市の塚部芳和市長は4日の定例記者会見で、九州電力玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)の再稼働について「事故が起きれば取り返しがつかない事態になる」と反対を明言した。佐賀、福岡、長崎の3県にまたがる緊急防護措置区域(UPZ)の半径30キロ圏内の7市1町で首長が再稼働反対を明確に示したのは、離島の長崎県壱岐市長に次いで2人目、佐賀県内では初めて。

 九電は玄海3、4号機の本年度内の再稼働を目指しているが、近隣自治体の反対表明で影響は必至だ。

 これまで塚部市長は再稼働自体には容認の立場だったが、6月22日の市議会一般質問で「現時点で同意する気持ちはない」と翻した。会見で答弁の真意を聞かれ「原発が止まった時点では経済活動や市民生活が大変になると思っていたが、大きな支障は出ていない。あえて再稼働しなくてもいいと市民は思っている」と心境の変化を説明した。

 防災行政無線や避難道路の未整備を再稼働に向けた不安材料に挙げていたが、会見では「整備されたとしても、再稼働に前のめりになりたくない」と強調し、「どこかの時点で連鎖を断ち切らなくてはいけない」と脱原発を訴えた。

 再稼働の地元同意の手続きは、安全協定を準用し、これまでの事例から地元同意の範囲は「事前了解」の協定を結ぶ県と玄海町に限定されるとみられる。伊万里市は2月に県と結んだ覚書の「協定書の運用に当たっては、県は市の意向に十分配慮する」とする条文を根拠に「県が再稼働を判断する際に市に十分説明した上で、市の意見を聞く機会があるはず」と解釈する。

 県産業労働部の石橋正彦部長は記者団に「(原発の)安全性が確認された段階で国から相談があると思う。そのときに伊万里市の意見も含めて県内の実情を国に伝える」と述べた。

 玄海町の岸本英雄町長は、塚部市長の反対表明に驚きつつ、「直接会って話をしたわけではないので本意が分からず、今の段階ではコメントできない」と話した。

最終更新:7月5日(火)11時36分

佐賀新聞