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傷ついたブランド、険しい道のり 三菱自、信頼回復へ再スタート

山陽新聞デジタル 7月5日(火)10時30分配信

 三菱自動車は4日、水島製作所(倉敷市)で2カ月半ぶりに軽自動車生産を再開し、信頼回復へ再スタートを切った。岡山県内に集積する部品メーカーへの新規発注も今月下旬には再開される見通しで、地域の経済や雇用にも明るい兆しが見えてきた。ただ、三菱自のブランドイメージは大きく傷つき、再生への道のりは険しい。

 不正4車種の生産と販売が中止となったのは4月20日。当初は量産に必要な国の認証(型式指定)自体が取り消される可能性が浮上し、「再開は秋以降」との見方もあった。それが一転、燃費値修正による対応を国が認め、生産停止が長期化する事態は避けられた。

 ようやく生産再開にこぎ着けたものの、先行きは不透明だ。三菱自は販売苦戦を見据え、水島製作所の本年度の生産台数は16万台と2015年度実績(30万9500台)の半分と見込む。しかし、消費者の三菱自離れが広がれば、さらに落ち込む可能性もある。

 三菱自の日産傘下入りで地元部品メーカーも新たな局面を迎える。三菱自と日産が共同開発する18年度投入の次期軽は初めて日産主導の開発となり、既に水面下では「日産系部品メーカーの受注内定が出ている」(業界関係者)との声もある。受注競争の激化は避けられそうにない。

 岡山県の自動車産業の製造品出荷額は約7千億円(14年)と全体の1割近くを占め、三菱自の協力会社は1次、2次だけで約500社、従業員は約2万3千人に上る。関係自治体が協力会社への支援策を次々と打ち出したのも、それだけ県経済への影響が大きいからにほかならない。

 三菱自は2000年以降の相次ぐリコール隠しで経営危機に陥った。今回の燃費不正は、顧客だけでなく、三菱自の再生に懸命に取り組んできた水島製作所や販売会社、協力会社の従業員を裏切る格好となった。今度こそ襟を正して信頼を取り戻し、地域経済に対する責任を真摯(しんし)に果たしていくことが三菱自に課せられた使命といえる。

最終更新:7月5日(火)10時30分

山陽新聞デジタル