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文字通りの「縁の下の力持ち」 パ・リーグTVの「裏側」を支える人々

Full-Count 7月5日(火)9時43分配信

今やファンに定着しつつある「パ・リーグTV」も始まりは苦難の連続

 パ・リーグ6球団のファンにはすっかり浸透しつつあり、さらに交流戦でセ・リーグのファンにも名前が知れ渡り始めている「パ・リーグTV」。一般ファンだけでなく、メディアの人々、さらに選手たちも利用しているほど、野球ファン・関係者の間で、その存在は大きくなりつつある。

 そもそも「パ・リーグTV」とは何か、初めにおさらいしておきたい。「パ・リーグTV」とは、年間約450試合を超えるパ・リーグ主催試合がPC・スマホ・タブレットでライブ視聴できる、会員数は約7万人のサービス。ライブを見逃しても、あとから過去の試合を振り返ることもでき、ホームランやファインプレーといったワンシーンは無料で配信されていて、誰でも「野球」をエンターテインメントとして楽しめる。さらには珍プレー集や好プレー集など独自の視点でまとめた動画も、一部でカルト的な人気を誇るという。

 「インターネットライブ」は、昨今ではもはや当たり前のようなサービスとなってきた感があるものの、パ・リーグTVがスタートした2012年は珍しいサービスであった。同時に、サービスの開始に至るまでは、さまざまな困難が予期せぬものも含めて降って沸くなど、苦難の道のりであったという。

 「まさに『あゝ野麦峠』でしたね」。パ・リーグTVのシステムを構築した、株式会社富士通システムズ・ウエスト(FWEST)の堀内修一氏は、感慨深げに当時を振り返る。堀内氏はパ・リーグTVのサービス開始前、2011年春の準備段階からこのプロジェクトに参加している古参メンバーだ。

システム構築者の堀内氏「ファンと野球のタッチポイントを増やしたい」

 今でこそ安定した配信を継続できているパ・リーグTVではあるが、当時は当然ながら取り組む施策は「初」のことばかり。「当時、偶然部署が変わって最初の仕事でした。立ち上げの頃、今となっては当然あるものがなかったりして『さて、どうしよう』というところから始まりました。一から作って、違うのですぐに変えようとか、そういうことばかりでした」と、サービス開始当時を振り返る。

 「ライブ配信は障害が起きたら待ったなしなので、もちろんそこは当然大変ですが、オープン戦ではセ・リーグ、パ・リーグが入り乱れるので、配信するものとそうでないもののコントロールが難しかったですね」と、配信の難しさも語ってくれた。中でも最も印象深かった配信について尋ねると、「2012年の祝勝会(ビールかけ)ですね」と堀内氏。「祝勝会の配信は、基本的にいつ何時に優勝するか、スケジュールが刻々と変化するので、毎日勝敗を見て、何時にどうするというのを作っていました。流し方も当時は決まっていなかったので、どう流すかというのも、その時その時で決めていました」という。それだけに「全部流し終わって、これで1年終わった」という思いが強かったという。

 パ・リーグTVのプロジェクトに関わるようになって今年で5年目。野球ファンの間で“機運”が高まっていることを、堀内氏は感じるという。「私自身は広島出身なのでカープファンなんですが、ある選手のファンがいて、その選手がパ・リーグに行ったらパ・リーグTVに入るというファンがいるようです」。さらに堀内氏自身も、「広島から東京に出てきてから野球を見なくなっていました。ですが配信に関わるうちに、野球に対する熱が再び高まってきました」と、その熱に自身も影響されているようだ。

 将来の“野望”を聞くと、「将来的には、やはり12球団でやりたいなと思います。CSパックで家で見る、外で見る時にはこっちで見るとか、そういうことができればファンと野球のタッチポイントがより増やせるので、野球ファンも増やせていけるのではないかと思っています」と心の内を明かしてくれた。さらに「2020年の東京オリンピックに向けていろいろ出てくることもあるので、新しい技術を作っていきたい」と、堀内氏は力強い眼差しとともに、期待に満ち溢れた笑顔で、今後について語ってくれた。

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最終更新:7月5日(火)9時44分

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