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フレデリック、自身を肯定するツアー完遂「オンリーワンに感謝」

MusicVoice 7/5(火) 16:33配信

 神戸出身の3ピースバンドのフレデリックが2日、東京・Zepp DiverCity (TOKYO)でツアー『フレデリズムツアー2016 ~オンリーワンダーランド』のファイナル公演をおこなった。6月にリリースした1stシングル「オンリーワンダー」を引っさげておこなわれた、名古屋、大阪、東京で実施。本編をほぼノーMCで、アンコールを含め全17曲を熱演。訪れたファンを“オンリーワン”なサウンドとグルーヴで熱狂させた。三原健司(Vo.Gt)は「俺たちを変えてくれたのは、紛れもなくあなた方ひとり一人だから、あなたのオンリーワンに本当に感謝します」とファンに感謝の言葉を述べ、最終地の東京は自身最大規模の会場で、まさに今後を占う重要な一夜となった。

 定刻を少々過ぎたところで、三原康司(Ba.Cho)の開演を告げるアナウンスが流れた。しばらくしてBGMがストップし、ゆっくりと暗転すると、大きな拍手が会場に響いた。SEが流れる中、ステージ後方に設置されたスクリーンに、「オンリーワンダー」のジャケットで、健司が掲げていた“ON1”の文字がロジカルに動き回る。「フレデリズムツアー、オンリーワンダーランド始めます」とアナウンスされると、メンバーがステージに登場した。

 楽器を抱え始まったオープニングナンバーは、「オワラセナイト」。フロアからオーディエンスの無数の手が、エネルギーを送るかのようにステージに向かって伸ばされる。出だしからフルスロットルで突き進むフレデリック。2曲目は「DNAです」に突入。健司の奏でるストロークの隙間を、赤頭隆児(Gt)のソリッドなカッティングが縫っていき、そこに康司の重心の低いベースラインが絡む。うねるフレデリックサウンドによって、会場のテンションをどんどん上げていった。

 3曲目は「トウメイニンゲン」。オープニングから一貫性のあるテンポ感で、高揚感を煽っていく。クラブのDJが曲をかける時にBPM(テンポ)を揃え、踊りやすい状況を作り上げる手法に近い感覚でフロアを盛り上げていく。続く「ひっくりかえす」では、リフレインする言葉でリズムを作る。更にアグレッシブなコードワークが印象的に響くロックナンバー「FUTURE ICE CREAM」でファンを扇情する。

 そして、波の音のSEからこの時期にピッタリな「トライアングルサマー」を披露。ギターのリバーブ感がサーフロック的なニュアンスを醸し出し、疾走感あふれるナンバーで魅了していく。気づいてみればオープニングから6曲、ほぼノンストップで展開。休む間もなくフレデリックサウンドで会場を満たしていった。

 暫しの静寂が訪れ、ここから空気感が変わり、ファンタジーセクションに突入した。スクリーンの映像とリンクさせた「人魚のはなし」を披露。楽曲の雰囲気とシンクロした映像で、ファンの聴覚と視覚で楽しませていく。続いての「みつめるみつあみ」では、白いワンピースを着用した三つ編みの女性が登場。

 バンドが出すリズムの中、ステージをゆったりと女性は徘徊した。歌詞とリンクさせ、“三つ編み”を解く仕草も見せ、物語を見ているかのようで、ステージから目が離せない。楽曲のエンディングには、もうひとり“上手”から同じ衣装を着た女性が登場し、「うわさのケムリの女の子」に突入。ステージにはスモークが噴出され、タイトル同様、“ケムリの世界”が目の前に広がった。ラストにはフロアにもスモークが放たれ、ステージが見えなくなるほど圧巻の量のケムリで、会場を満たしていった。

 ここからディスコゾーンに突入。さらに曲調をダイナミックに変化させ、オーディエンスを楽しませていく。前のめりに入ってくるドラムのフィルインが心地よい「WARP」から「FOR YOU UFO」へ。隆児のワウを使用したギターカッティングがグルーヴィーに会場に響き、照明のレーザービームが縦横無尽にステージからフロアに向けて放出された。健司の歌声がオケの上をバウンスするかのようにメロディを紡いでいく。

 続けて、「ディスコプール」へ突入。オーディエンスも手を掲げ、バンドが出すサウンドに身を任せるかのように体を弾ませていた。心地よいビートが体に染み込んでいくようだ。健司が「踊ろうか!」と投げかけると、ニューシングルのカップリング曲「プロレスごっこのフラフープ」を披露。健司の「飛べますか!?」の煽りに今まで以上のバウンスを見せるオーディエンス。一癖も二癖もあるサウンドが、中毒性を高めていく好ナンバー。康司がアグレッシブにスラップベースソロを決め、湧き上がる歓声に満足そうな表情を見せた。

 そして、アッパーチューン「愛の迷惑」へ。音源よりもハードでアグレッシブな演奏に心踊る。途中、歌詞を「お台場大好きなんです♪」に変え、それを聴いたオーディエンスから歓声が上がった。こういう歌詞の些細な変化もライブでは重要なファクターだ。一体感のある手拍子がステージとフロアに降り注ぐ。間髪入れずにキラーチューン「オドループ」に突入。MV同様の振り付けを6人の女性ダンサーが再現していく。オリジナリティあふれるキャッチーな振り付けとバンドサウンドによって、リミットが外れたかのように、会場のボルテージは更に上昇していった。オーディエンスは目、耳、体の全体でリズムを感じ、このリズムのループに溺れていった。

 眩い光の中、健司が「バンドを7年間やってきて、Zepp DiverCityなんて絶対埋まらないと言われてきた。でも、みんながこうやってここに集まってくれたから、Zeppをソールドアウト出来たんだ! 俺たちを変えてくれたのは紛れもなくあなただから、俺たちフレデリックはあなたにとってたった一つのオンリーワンなんです!」と鬼気迫る声で叫ぶと、オーディエンスもオンリーワンを示すかのように、1本立たせた指を高く掲げ、ニューシングル「オンリーワンダー」へ。

 「オンリーワンダー」のMVでも見られた東京オンリーダンサーズが16人登場し、ステージからは並々ならぬエネルギーが放たれていった。原点回帰とも言えるアレンジとサウンドだが、グルーヴやメロディ、歌詞のハメ方は今まで以上の一体感を感じる。途中、隆児のギターの弦が切れてしまうハプニングもあったが、すぐさまギターをチェンジ。間一髪、ギターソロに間に合い、テンションの高いリードプレイを会場に響かせた。フレデリックの進化が垣間見え、メンバーも高揚しているのがわかるほどの熱い演奏を魅せつけた。最後に「あなたのオンリーワンに感謝します」と健司が感謝の言葉を述べ本編を終了し、メンバーはステージを後にした。

 アンコールを求める手拍子が鳴り響く中、メンバーがゆっくりとステージに再び登場した。ここでメンバー紹介も兼ね、ロングMCを展開。康司は「今日答えが出ました。(本編)最後のオンリーワンダーをやった時に、みんな(の存在)が本当に答えなんだなと思いました。やってて間違いじゃなかった」と自分たちの音楽を信じてやってきたことは間違いじゃなかったと確信したとの思いを述べた。

 そして、メンバーは『オンリーワンダーランド』というテーマパークのようなライブにするために、3人でディズニーランドに行った話で盛り上がった。そこでファンと遭遇したエピソードも明かされた。「僕らサングラスを掛けていたのに『繋がっているモミアゲでわかりました』」とファンに言われ、「はしゃいでいただけに恥ずかしかった」とコメント。会場は大きな笑いで溢れた。

 ここで、健司がギターでアルペジオを奏でながら、神妙な面持ちで話す。「フレデリックを肯定するツアーにしたいなと思った。2014年にメジャーデビューして、いろんな人が俺たちのことを知ってくれるようになってスゴく嬉しかった。どんな形でフレデリックを知ってもらってもいいんだけど、やっぱり音源で判断されることが多くて、俺らは“全部ライブで肯定していこう”って、そういう気持ちがこもったツアーをしたいなと思っていた。Zepp DiverCityは挑戦だった。俺たちがフレデリックであり、オンリーワンな存在。だからこそ(ファンで)いてくれている一人ひとりにオンリーワンでいて続けて欲しい。それを肯定するツアーにしたかった」と今回のツアーへの想いを語った。

 更に「俺たちはデビューしてからめっちゃ成長したと思う。いろんなことを乗り越えてきた。そして、みんなが迎えてくれた。やり続けてきて何も間違っていなかった。俺たちを変えてくれたのは、紛れもなくあなたひとりだから、あなたのオンリーワンに本当に感謝します」と、ここまで支えてきてくれたファンに感謝を伝えた。

 そのギターアルペジオのまま「ハローグッバイ」を演奏。健司の歌とギターだけが、Zepp DiverCityに響き渡った。そして、そのソウルフルな歌声に導かれるようにフルバンド演奏で展開。情感たっぷりにステージから気持ちをぶつけるように歌を届けていく。ここまで歩んできたバンドの想いが詰まった熱い演奏で大団円を迎えた。健司が最後に「俺たちはずっとあなた達のオンリーワンで居続けます。あなたもオンリーワンでいて下さい」とオーディエンスに投げかけ、フレデリズムツアーの幕を閉じた。

 本編はMCを挟まず、ほぼノンストップで駆け抜け、起承転結を持たせたセクションの構成でファンを熱狂させた。ファンとバンドが一体となった熱いステージは、抑えきれないほどの高いエネルギーを生み出し、フレデリックが、ファンにとって“オンリーワン”な存在であることを証明した。来年には新木場Studio Coastでワンマンライブをおこなうと宣言したフレデリック。今度はそこでどのようなライブを魅せてくれのか、非常に楽しみにさせてくれた夜であった。(取材・村上順一)

■セットリスト

フレデリズムツアー2016 “オンリーワンダーランド“

7月2日 Zepp DiverCity TOKYO

01.オワラセナイト
02.DNAです
03.トウメイニンゲン
04.ひっくりかえす
05.FUTURE ICE CREAM
06.トライアングルサマー
07.人魚のはなし
08.みつめるみつあみ
09.うわさのケムリの女の子
10.WARP
11.FOR YOU UFO
12.ディスコプール
13.プロレスごっこのフラフープ
14.愛の迷惑
15.オドループ
16.オンリーワンダー

ENCORE

EN1.ハローグッバイ


【ライブ情報】

2016年11月~2017年1月の全国11箇所ワンマンツアー決定

11/12(土) 仙台 CLUB JUNK BOX
11/19(土) 高松 MONSTER
11/20(日) 岡山 IMAGE
12/03(土)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
12/04(日) 金沢 vanvan V4
12/11(日) 札幌 Sound lab mole
12/17(土) 福岡 BEAT STATION
12/18(日) 広島 SECOND CRUTCH
01/08(日) 大阪 なんばHatch
01/09(月・祝) 名古屋 DIAMOND HALL
01/22(日) 東京 新木場STUDIO COAST

最終更新:7/6(水) 2:10

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