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高岡漆器で装飾バット 中村さん、青貝塗や蒔絵の技

北日本新聞 7月5日(火)23時57分配信

 青貝塗や蒔絵(まきえ)など高岡漆器の伝統技法を用いた装飾バットを中村漆器店(高岡市長慶寺)の社長、中村喜進さん(73)が作った。漆塗りの台座付きで室内に飾ることができる。高岡漆器の売り上げが低迷する中、野球ファンへのギフト品、球界関係者の記念品として売り込み、新たな需要を掘り起こしたい考えだ。

 装飾バットは開発コンサルタントの矢野英樹さん(76)=射水市=と、丸和ケミカル会長の木田博久さん(74)=高岡市=の協力を得て完成させた。

 以前、練習用バットの開発に携わったことのある矢野さんが、スポーツ用品販売会社から記念品用のバット製作を頼まれたのがきっかけだった。高岡漆器の振興につながることから、知人の木田さんを通し、漆器職人の中村さんに装飾バットのアイデアを伝えた。中村さんは昨秋から試作を重ね、先月、高岡市で行われた高岡漆器展示会に完成品を出品。伝統工芸高岡漆器協同組合理事長賞に選ばれた。

 バットは長さ84センチ、直径6・5センチ。風神雷神や鳳凰、鯉(こい)、龍、鶴、鶴亀の6種類あり、いずれの模様も蒔絵で表現している。バットの周りには青貝塗で2本の線を施し、神秘的な輝きを放つ。強度を高めるため、モウソウチクの集成材を利用した。

 価格は台座付きで16万8千円(税込み)。少年野球や高校野球などで汗を流す子や孫へのギフト品として提案するほか、プロ野球選手が記録を達成した際などに記念品として使ってもらえるよう、球界関係者にセールスする。

 高岡漆器の販売額はピーク時の4分の1に落ち込んでいる。中村さんは「野球関係者の裾野は広く、工芸品に関心のなかった人にも手に取ってもらえるかもしれない。付加価値の高い商品を提案し、漆器業界を底上げしたい」と話した。問い合わせは中村漆器店、電話0766(22)8433。(高岡支社編集部次長・黒田修一朗)

北日本新聞社

最終更新:7月5日(火)23時57分

北日本新聞