ここから本文です

日本はなぜグローバルなショックに脆弱なのか?

ZUU online 7/6(水) 10:39配信

英国のEU離脱問題など、グローバルな景気・マーケットの不安定感が大きくなり、円高が進行し、日本の株価も大きく下落してきた。なぜこれほどまでに、日本の金融市場はグローバルなショックに脆弱なのだろうか?

■消費者向けと企業向けで輸出拡大の影響は変わる

グローバル経済の動向に日本の輸出環境が大きな影響を受けることは確かだ。しかし、ITバブル近辺(1999-2001年)とリーマンショック近辺(2008-2010年)の大きな変動を除くと、1995年から見てグローバルな実質GDP成長率(IMF世界経済見通し)の標準偏差は0.7ポイントと小さい。

一方、同じ期間で、日本の実質輸出の伸び率の標準偏差は4.8ポイントと、7倍程度であり、極めて大きい。グローバル経済の成長率に対して日本の輸出の変動幅が大きいのは、日本の輸出構造が企業向けが大きい特徴があるからであると考えられる。消費者向けであれば、グローバル経済の成長に合わせた消費市場の拡大がそのまま輸出の拡大につながるはずである。

企業向けであれば、資本財が輸出に占める割合が大きく、輸出の拡大は、グローバル経済の成長率の加速と減速の影響がより強く現れると考えられる。企業の設備投資は、成長率の加速場面で急拡大し、減速場面で急縮小するため、同じ輸出でも、資本財は消費財より変動が大きくなるとみられるからだ。

■安全資産・円の存在も影響あり

資本財に限らず、企業活動それ自体にも同じことが言える。

実際に、同じ期間で、日本の実質輸出の伸び率とグローバル経済の成長率との相関係数が0.64であるのに対し、グローバル経済の成長率の変化(今年の成長率-昨年の成長率、モメンタム)との相関係数は0.88とより大きい。日本の実質輸出の伸び率とグローバル経済の成長率の変化はほぼ重なる。

グローバルな景気・マーケットの不安定感は、グローバル経済の成長率の変動に大きな影響を与えるため、日本の輸出を大きく変動させる大きなリスクと認識されるのかもしれない。結果として、遠い国で起こった事象でグローバルな景気・マーケットの不安定感が高まると、日本の金融市場も大きく不安定化すると考えられる。

もちろん、大規模な海外純資産を保有している日本の通貨である円が、安全資産として、グローバルな景気・マーケットの不安定感が高まる局面で買われやすいことの影響も考えられよう。

会田卓司(あいだ・たくじ)
ソシエテ・ジェネラル証券株式会社 調査部 チーフエコノミスト

最終更新:7/6(水) 10:39

ZUU online

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。